Twitter経由で見つけた産総研の櫻井さんのグラフがとても重要なので紹介したい。
原油の輸入額(名目)とGDP比を時系列順に並べたもの:
ほんの10年前までは毎年5兆円程度だったのが、23兆円にも増えている。主因は価格の上昇。実に4倍以上になっている。
こんなに増えてたら、国内の暮らしもきつくなって当たり前だろう。
非常にもっともな指摘だ。当たり前だが23.1兆円の輸入をするためには、国内での消費を犠牲にして輸出を行う必要がある。2008年度の輸入総額は約72兆円で原粗油だけで13.6兆円を占めている。輸入品のトップ10は以下の通りだ:
- 原粗油:136,397億円
- 液化天然ガス:44,985億円
- 石炭:32,569億円
- 衣類・同付属品:26,242億円
- 非鉄金属:21,470億円
- 半導体電子部品:21,326億円
- 石油製品:20,014億円
- 電算機類(含周辺機器):16,362億円
- 有機化合物:14,246億円
- 非鉄金属鉱:13,911億円
ほとんど原油を含む燃料・鉱物資源であることが分かる。石油製品や有機化合物は原油を輸入しているのと大差なく、資源関連以外は半導体・電算機しかない。これは十年前の1998年には以下のようだった:
- 原粗油:26,177億円
- 衣類・同付属品:18,477億円
- 魚介類:16,453億円
- 半導体等電子部品:13,146億円
- 電算機類(含む周辺機器):12,931億円
- 非鉄金属:9,568億円
- 液化天然ガス:9,355億円
- 肉類:8,995億円
- 科学光学機械:8,168億円
- 電気類の部分品:8,115億円
インフレ調整はしていないが総輸入は353,938億円だった。これが自分が昔子供のころに習った輸出入の風景だ。日本は原材料・食料を輸入するために製品を輸出する。現在でもその基本的構図は変わっていないが、材料を買ってきて製品を作ることの効率が大きく下がった。自分が買いたいものの値段が上がると同時に自分が商売で仕入れる材料の値段が上がったのだから景気云々はおいておいても実質的に貧しくなるのは避けられない。食堂をやっている一家が突然の食材価格高騰にあったようなものだ。
この状況を打開するためには、消費と仕入れにかかる費用を減らす、つまり消費と生産の両面での効率化が必要だろう。その一つの方法は櫻井さんも研究されている太陽光発電であり、燃費の低い自動車・電化製品などもそうだ。経済発展においては資源の存在が成長の阻害になるという説もあるぐらいなので、日本も頑張らないといけない。
もう太陽電池は実用的コストになるかどうか、って段階じゃないです。どこの国や企業がシェアを取るか、っていう経済戦争の段階なんですよ。
ただ、別に「戦争」を起こす必要はない。自分で開発できればそれに越したことはないが、どこかで開発されたものを日本で導入するだけでも天然資源への依存・支出を抑えることはできる(たとえ誰かが技術を独占したとしても全ての余剰を回収することはできない)。他国に勝とうとするあまり政府が口を出しすぎることのないように願う。
