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	<title>rionaoki.net &#187; 進化論</title>
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		<title>涙の効用</title>
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		<pubDate>Fri, 30 Apr 2010 01:40:52 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Rion</dc:creator>
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		<description><![CDATA[涙を例にどのような場合にシグナリングが信用できるか、そして進化論的に安定しているかが説明されている記事： Credible Tears By blurring vision, they handicap aggressi &#8230; <a href="http://rionaoki.net/2010/04/3962">Continue reading <span class="meta-nav">&#8594;</span></a>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>涙を例にどのような場合にシグナリングが信用できるか、そして進化論的に安定しているかが説明されている記事：</p>
<p><a href="http://cheeptalk.wordpress.com/2010/04/28/credible-crying/">Credible Tears</a></p>
<blockquote><p>By blurring vision, they handicap aggressive or defensive actions, and may function as reliable signals of appeasement, need or attachment.</p></blockquote>
<p>涙は視界をボヤケされることで攻撃や防御を取りにくくするので信頼できるシグナルだという意見に対して次のように反論している。</p>
<blockquote><p>For example if tears convince another that you are defenseless then there is an evolutionary incentive to manipulate the signal.</p></blockquote>
<p>もし涙がそのような理由で信頼されるのであれば、進化によってそのようなシグナルを悪用するようになるはずだという。涙を流すが視界はぼやけないようになるということだ。そうならなければ涙に騙されることで生存上不利になる。</p>
<blockquote><p>A typical exception is when the signal is primarily directed toward a family member.</p></blockquote>
<p>但し、シグナルを送る相手が家族に限られるのであれば進化論的に安定した＝誰も悪用しないシグナルになる可能性がある。何故なら家族は遺伝子の多くを共有しているからだ。</p>
<blockquote><p>And babies of course have few other ways of communicating needs.</p></blockquote>
<p>特に他のコミュニケーション手段を持たない赤ん坊にとっては重要な仕組みでありうる。</p>
<blockquote><p>Not surprisingly, once the child reaches adulthood, crying mostly stops:  Nature takes away a still-costly but  now-useless signal.</p></blockquote>
<p>実際、成長するにつれて子供は泣かなくなる。子供はいつまでも保護対象だと思われるインセンティブがあるため、涙というシグナルを利用するようになるが、親もその構造に気付くためシグナルとしては効果がなくなる。効果がないシグナルを維持する理由もないので泣かなくなるのも当然だろう。</p>
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		<title>人間も労働も特別じゃない</title>
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		<pubDate>Thu, 24 Dec 2009 23:45:13 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Rion</dc:creator>
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		<category><![CDATA[キャリア]]></category>
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		<description><![CDATA[人間を他の生物とは違うものと捉えたり、労働を他の財・サービスとは違うと考えたりする人が多いのはどうしてだろうか。 人間はどうして労働するのか (内田樹の研究室) 動物は当面の生存に必要な以上のものをその環境から取り出して &#8230; <a href="http://rionaoki.net/2009/12/2415">Continue reading <span class="meta-nav">&#8594;</span></a>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>人間を他の生物とは違うものと捉えたり、労働を他の財・サービスとは違うと考えたりする人が多いのはどうしてだろうか。</p>
<p><a href="http://blog.tatsuru.com/2009/12/16_1005.php">人間はどうして労働するのか (内田樹の研究室)</a></p>
<blockquote><p><em>動物は当面の生存に必要な以上のものをその環境から取り出して作り置きをしたり、それを交換したりしない。</em></p></blockquote>
<p><strong>ほとんどの動物が食料の作り置きをしないのは単にできないからだ</strong>。できるならする。例えばリスは食料を地中に埋めるし、冬眠する動物は脂肪を蓄える。</p>
<p>狼は獲物を群れに持ち帰り、狩りに参加しなかった個体にも食料を与える。常に同じ個体が群れに出るのでない限りこれは時間軸を通じた交換だ。<strong>その場での交換でないのは、貨幣が存在しないからだ</strong>。貨幣がなければ価値の一致する取引を一時点で行うのは困難だ。貨幣経済成立以前の人間でも変わらない。</p>
<blockquote><p><em>「労働」とは生物学的に必要である以上のものを環境から取り出す活動のことであり、そういう余計なことをするのは人間だけである。</em></p></blockquote>
<p>これも同じだ。<strong>生物学的に必要な以上の生産を行う動物がいないようにみえるのは、大抵の動物にそれができないからだ</strong>。牧草地にやぎを大量に放てば牧草はなくなり、やぎの数は減る。結果的に牧草とやぎの量にバランスがとれるが、これはやぎが必要以上の食事を行わないからではない。むしろ必要以上のものを環境から取り出した結果だ。</p>
<p>人間もまた例外ではない。産業革命以前の経済はマルサス経済であり、技術発展は人口増によって打ち消された。<strong>人間だけが環境から余分な生産を行っているように見えるのは生産性が高く必要以上の生産が行えるからに過ぎない</strong>。ちなみに<a title="Marx's footnote on Malthus from Capital" href="http://www.cooper.edu/humanities/core/hss3/k_marx2.html">マルクスが資本論でマルサスを辛辣に批判</a>しており、人間を特別視する見方と労働を特別視する見方には共通するものがあるのだろう。</p>
<blockquote><p><em>どうして人間だけがそんなことをするのか。それは「贈与する」ためである。ほかに理由は見当たらない。</em></p></blockquote>
<p><strong>「贈与する」生物は人間だけではない</strong>。ほかに見当たらないのはよく見てないからだ。他の例で考えれば分かる。多くの個体が肥満な生物は人間だけだが、人間が肥満になるのはなぜか。それは余分な栄養を溜め込むのが自然界で有利だからだ。多くの動物が脂肪を使って栄養を貯蔵する。人間だけが太るのは単にいくらでも食料が手に入るからであって、人間には特別の太る「理由」があるからではない。</p>
<p>労働も同じだ。<strong>単に生存に必要なものしか欲しがらない人間は生存競争に勝ち残れない。よってほとんどの人間は必要以上のものを欲する欲望を持っている</strong>。現代ではそんな欲望がなくなても子孫を残せるだろうが、人間の性質は百年やそこらで変わらない。</p>
<blockquote><p><em>「働く」ことの本質は「贈与すること」にあり、それは「親族を形成する」とか「言語を用いる」と同レベルの類的宿命であり、人間の人間性を形成する根源的な営みである。</em></p></blockquote>
<p>原文ではこの命題に基づき演繹的に働くことについて論じているが、そもそもの議論が間違っているのでこれ以上論じる意味はないだろう。「本質」とか「宿命」とか「根源的営み」とか言えば結論が正当化されるわけではない。</p>
<blockquote><p>経済学者が誰も言わないので、私が代わりに言っているのである。</p></blockquote>
<p>そりゃそうだ。そんなことを言われても困る。</p>
<h3>追記</h3>
<ul>
<li>「それを踏まえても人間は他の生物とは違うし、労働も他の財・サービスとは色々な意味で違いますよ？」：それは内田さんが考えるべきことで、私のここでの主張はこれの議論は前提がおかしいのでどうしようもないということです。色々な意味で違う点を正しく把握することが必要だと思います。</li>
</ul>
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		<title>ミニスカートが悪いのか</title>
		<link>http://rionaoki.net/2009/12/1953</link>
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		<pubDate>Wed, 02 Dec 2009 07:34:45 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Rion</dc:creator>
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		<category><![CDATA[ジェンダー]]></category>
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		<category><![CDATA[心理学]]></category>
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		<category><![CDATA[進化論]]></category>

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		<description><![CDATA[なんか各所で話題になっているけど、ちょっと前に読んだ他の記事と関連しているので取り上げてみる： 強姦するのが男の性なら去勢するのが自己責任でしょ &#8211; フランチェス子の日記 産経新聞の曽根綾子さんのおかしな記事 &#8230; <a href="http://rionaoki.net/2009/12/1953">Continue reading <span class="meta-nav">&#8594;</span></a>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>なんか各所で話題になっているけど、ちょっと前に読んだ他の記事と関連しているので取り上げてみる：</p>
<p><a href="http://d.hatena.ne.jp/Francesco3/20091129/1259458069">強姦するのが男の性なら去勢するのが自己責任でしょ &#8211; フランチェス子の日記</a></p>
<p>産経新聞の曽根綾子さんのおかしな記事に対するツッコミだ。<a title="性犯罪を容認する発言を許す産経新聞へ抗議しました" href="http://d.hatena.ne.jp/manysided/20091129">こちら</a>に本文がタイプされているので少し引用してみる：</p>
<blockquote><p>太ももの線丸出しの服を着て性犯罪に遭ったと言うのは、女性の側にも責任がある、と言うべきだろう。なぜならその服装は、結果を期待しているからだ。性犯罪は、男性の暴力によるものが断然多いが、「男女同責任だ」と言えるケースがあると認めるのも、ほんとうの男女同権だ。</p></blockquote>
<p>主張自体は別に真新しいものではない。女性が述べているのが珍しいだけで政治家なんかからはよく聞く話で、簡単に言えば「ミニスカートはいているのが悪い」ということだ。</p>
<p>この議論には致命的な問題がいくつもあるが二つだけ指摘する。まずは、<strong>レイプが起こるのは両者の不注意ではなく、一方の明確な意図が必要だということだ</strong>。これに同意できない人は男女を逆にして考えれば分かる。</p>
<p>男性がレイプされるシチュエーションを想像するのは難しいが、<strong>妻が浮気をしてもうけた子供を自分の子供だと騙されて育ててしまうというのがそれに近い</strong>。この話題はしばらく前に<a title="Do men Hurt More" href="http://www.overcomingbias.com/2009/11/do-men-hurt-more.html">こちら</a>で話題になった：</p>
<blockquote><p>Biologically, cuckoldry is a bigger reproductive harm than rape, so we should expect a similar intensity of inherited emotions about it.</p></blockquote>
<p>不貞の場合には被害者の男性は自分の遺伝子と関係ない子供に大量の資源を投入してしまい、実際に遺伝子を残すことが困難になる。レイプの場合では自分の遺伝子自体は残るが相手を選べず、妊娠した場合の出産・育児のコストは女性が負担するためその子供や自身の生存確率が大幅に下がる。</p>
<p>どちらも個体として適切に遺伝子を残す可能性を大きく下げる出来事であり、進化心理学的にいって人間はそれに対して同様の強烈な嫌悪感を持つはずだ（注）。実際、歴史上、妻の不貞に対して男性ないし社会は女性を強く責めてきた。また両者ともに、当事者間で合意がなく、一方の恣意的な行動がなければ成立しない点も同じだ。</p>
<p>しかし、<strong>夫が忙しくてかまってくれないので「つい」浮気をしてその相手の子供を「つい」生んでしまい「つい」夫の子供と称して育てるなんてことがあるだろうか。</strong>女性がミニスカートをはいているから「つい」レイプをしてしまうこともそれと同じだ。<strong>「つい」なんてあるわけないし、あったとしても悪いのは「つい」してしまった当事者であって忙しい夫やミニスカートの女性ではない</strong>。</p>
<p>「ミニスカートはいているのが悪い」と思っている人は当然このケースでも悪いのは男性であって「つい」夫を騙した女性ではないと考えるべきだろう（そうであれば確かに男女対称だろうがそんな世界には住みたくない）。</p>
<p>二つめの問題は「自己責任」という言葉の無意味さだ。<strong>「自己責任」というルールが存在するのは、結果を左右する人間に責任を押し付けるのが最も効率的なことだからに過ぎない</strong>。しかし、これは<strong>結果と行為者とが1対1に対応しない場合には役に立たない</strong>。例えば車と自転車が衝突事故を起こしたとしてこれは誰の自己責任なのだろう。どちらも不注意があり、その結果として衝突が起こる。どちらがより多くの責任を追うべきかは「自己責任」というスローガンからは導けない。</p>
<p>仮に男性の意図がなくてもレイプが起こるとしても（！！！）、<strong>男性が自制することのコストの方が、女性が服装や生活を制約されることのコストよりも遥かに小さいはずであり、男性が自制することが効率的だ</strong>。よって法律や文化もそうなるようになっているほうが社会的に望ましいだろう。もし自制のコストが女性の制約のコストより高い男性がいるならそれは病気だろう。</p>
<p>（注）現代では事後避妊・流産・DNA鑑定などで進化論的な影響は避けられるだろうが、人間の心理はそういう技術がない時代の生物学的優位性に基づいて決定されていると考える。</p>
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		<title>DNA鑑定と親子関係</title>
		<link>http://rionaoki.net/2009/11/1627</link>
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		<pubDate>Mon, 16 Nov 2009 21:37:59 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Rion</dc:creator>
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		<category><![CDATA[進化論]]></category>

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		<description><![CDATA[DNA鑑定に関する技術の発展は、避妊技術がそうであったように、社会の仕組みを変えていく可能性がある： Who’s Your Daddy? Global Nonpaternity Rates. &#124; Psychology T &#8230; <a href="http://rionaoki.net/2009/11/1627">Continue reading <span class="meta-nav">&#8594;</span></a>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>DNA鑑定に関する技術の発展は、避妊技術がそうであったように、社会の仕組みを変えていく可能性がある：</p>
<p><a href="http://www.psychologytoday.com/blog/homo-consumericus/200911/who-s-your-daddy-global-nonpaternity-rates">Who’s Your Daddy? Global Nonpaternity Rates. | Psychology Today</a></p>
<blockquote><p>The threat of being cuckolded is one of the most evolutionarily important threats faced by men especially in light of the fact that humans are a bi-parental species (i.e., children require great parental care from both <a class="pt-basics-link" title="Psychology Today looks at Parenting" href="http://www.psychologytoday.com/basics/parenting">parents</a>).</p></blockquote>
<p>二親性（biparental）の種にとって、他人の子供を育ててしまうことは進化論的な自殺だ。不貞（cuckoldry）に対する男性の反感 はこれにより説明される。</p>
<p>ここでは、DNA鑑定によって父親が子供の生物学的父親ではない割合の<a title="How Well Does Paternity Confidence Match Actual Paternity?" href="http://www.journals.uchicago.edu/doi/abs/10.1086/504167">サーベイ</a>（メタアナリシス）が紹介されている。</p>
<blockquote><p>The standard nonpaternity rate that is most commonly mentioned across cultural settings is 10%.</p></blockquote>
<p>その割合は一割ほどだ。これが多いと感じるかは人によるだろう。さらに、父親が生物学上の親子関係に持っている場合とそうでない場合に関する比較も行われている：</p>
<table border="0">
<tbody>
<tr>
<th></th>
<th>北米</th>
<th>ヨーロッパ</th>
<th> その他</th>
</tr>
<tr>
<th> 自信あり</th>
<th>1.9</th>
<th>1.6</th>
<th>2.9</th>
</tr>
<tr>
<th> 自信なし</th>
<th> 29.4</th>
<th> 29.8</th>
<th> 30.5</th>
</tr>
</tbody>
</table>
<p>地域・文化によらず、前者の場合は2%前後、後者の場合には30%前後となっている。もしDNA鑑定が早期に可能であった場合に、他人の子供を育てる男性はどの程度存在するのだろう。</p>
<p>人間の心理は生物学的に固定されている部分があるので、親子関係を確定できる世の中になっても社会規範が完全に変わることはない。しかし、大きな影響があるのは確実であるし、法律面でも技術発展への対応が必要だ。</p>
<p>現状では父親の親子関係の認定は非常に複雑な制度になっている。嫡出・非嫡出の区別、婚姻関係による推定、内縁関係による嫡出扱い、非嫡出児の認知などいろんなケースがあるし、父親が自分の子でないと主張する方法も嫡出否認と親子関係不存在があり婚姻関係による推定を受けるか否かできまる。</p>
<p>しかし、父子関係の推定規定は親子関係を確定できないという物理的な制約からきたものだ。技術進歩により確定ができるようになった以上これを変える必要がある。</p>
<p>例えば、推定嫡子に対する嫡子否認が一年間に制限されていることの立法趣旨は家族・親子関係の安定だろう。できちゃった婚のように推定はされないが嫡子扱いのケースで、親子関係不存在を期限なく訴えられるのはこれと反する。なぜなら親子関係不存在はもともと利害関係にある第三者（相続人など）を想定して作られている。よって誰でも訴えることができ、期限が制限がない。新しい現実に対応できていないのは明らかだろう。</p>
<p>代理出産の問題も根は同じだ。<strong>今まで単に技術的に不可能であるから法律で規定されていなかったことについて（起きもしないことに規定を作る必要はない）、社会としての立場を法律という形で明らかにする必要がだろう</strong>。</p>
]]></content:encoded>
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		<item>
		<title>猿の経済学</title>
		<link>http://rionaoki.net/2009/10/1200</link>
		<comments>http://rionaoki.net/2009/10/1200#comments</comments>
		<pubDate>Wed, 28 Oct 2009 23:19:17 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Rion</dc:creator>
				<category><![CDATA[Regular Posts]]></category>
		<category><![CDATA[ゲーム]]></category>
		<category><![CDATA[進化論]]></category>

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		<description><![CDATA[NPRから猿が経済学的に合理的な行動をとっている研究について： Scientist Monkeys Around With The Economy : NPR We were trying to answer quest &#8230; <a href="http://rionaoki.net/2009/10/1200">Continue reading <span class="meta-nav">&#8594;</span></a>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>NPRから猿が経済学的に合理的な行動をとっている研究について：</p>
<p><a href="http://www.npr.org/templates/story/story.php?storyId=114068638">Scientist Monkeys Around With The Economy : NPR</a></p>
<blockquote><p>We were trying to answer questions about whether monkeys are able to behave in an economic way.</p></blockquote>
<p>研究のテーマは、猿が経済的な行動をとれるのかということだそうだ。</p>
<blockquote><p>what would happen if you trained a low-ranking vervet monkey to do things that other vervet monkeys, even high-ranking monkeys, couldn&#8217;t do?</p></blockquote>
<p>これを調べるために、社会的地位の低い猿に特殊なスキルを習得させた場合に、その猿の地位がどう変化するかを調べた。</p>
<blockquote><p>Roughly an hour after she&#8217;d open the container for everyone, she was getting groomed a lot more, as much as a high-ranking monkey, and she no longer had to do hardly any grooming herself. But that was not the most spectacular finding.</p></blockquote>
<p>猿は貨幣を持っていないが、代わりに毛繕いに関する行動を調べた結果、スキルを持った猿の地位の向上が確認された。</p>
<blockquote><p>So what then did, is we got a second low-ranking female, trained her to open a second container with apples in it, and then we saw that the value of the first provider dropped, more or less, to the half of what she had before. So now we had a competition between two animals. Both of them could provide this good, these apples, and so the value of the first one dropped down again. And of the second one who was very low at the beginning of the experiment, she went up. And they ended up both in the middle, so to speak.</p></blockquote>
<p>さらにもう一匹同じような猿に同じスキルを習得させている。この場合にもスキルをもった猿の地位は上昇するが、その上昇は限られる。これはより貴重なスキルを持っている人のほうが競争が少なく大きな利得を得られるという標準的な経済学の結論に対応している。</p>
<blockquote><p>Animals that cannot form binding contracts, animals that cannot talk about what they want to do or cannot offer verbally or anything &#8211; they nevertheless are quite accurate in adapting their behavior to what the market gives them.</p>
<p>monkeys arrive at these economic outcomes not through sitting down and negotiation, but through feeling and emotion.</p></blockquote>
<p>そしてこの現象には契約も言葉も必要ではない。感情によってそういう風に行動しただけだという。</p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>人種差別の現実</title>
		<link>http://rionaoki.net/2009/10/976</link>
		<comments>http://rionaoki.net/2009/10/976#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 20 Oct 2009 03:51:11 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Rion</dc:creator>
				<category><![CDATA[Regular Posts]]></category>
		<category><![CDATA[US]]></category>
		<category><![CDATA[メカニズム]]></category>
		<category><![CDATA[人種]]></category>
		<category><![CDATA[心理学]]></category>
		<category><![CDATA[教育]]></category>
		<category><![CDATA[進化論]]></category>

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		<description><![CDATA[巡回させて頂いているブログでアメリカにおける人種差別の話について書かれていたので、前に読んでとても感心した黒人と白人の関係に関するエントリーを紹介（是非全文読んでいただきたい）： My Race Essay: What  &#8230; <a href="http://rionaoki.net/2009/10/976">Continue reading <span class="meta-nav">&#8594;</span></a>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>巡回させて頂いている<a title="統計学＋ε: 米国留学・研究生活" href="http://wofwof.blog60.fc2.com/">ブログ</a>で<a title="デトロイトの黒人" href="http://wofwof.blog60.fc2.com/blog-entry-156.html">アメリカにおける人種差別の話</a>について書かれていたので、前に読んでとても感心した黒人と白人の関係に関するエントリーを紹介（是非全文読んでいただきたい）：</p>
<p><a href="http://colinblog.wordpress.com/2009/02/20/my-race-essay-what-whites-say-behind-blacks-backs/">My Race Essay: What Whites Say Behind Blacks’ Backs « Colin Blog</a></p>
<p>著者は黒人が支配的なセントルイス出身で自らの経験から何故黒人に対する「差別」がなくならないのかについて論じている。まず現状については次のように述べている。</p>
<blockquote><p>One such uncle of mine noted [...] America is generally an “equal opportunity country.” I wouldn’t go that far, but this is how most white people feel and I think the truth is somewhere in the middle.</p></blockquote>
<p>基本的に機会は平等に近づいている。これは私の感覚にも一致する。アファーマティブアクションが議論になるよう、教育などにおいて明らかな差別はない。</p>
<blockquote><p>In my school, there was no systematic exclusion of the black students from excelling in academics. Most of the black students excluded <em>themselves</em>.</p></blockquote>
<p>学校教育において、黒人が差別を受けているという事実はなく、むしろ彼らが勝手に勉強から離れていくとかかれている。その例として、黒人がほとんどの高校で微積分を取る黒人がいなかったこと、高校を卒業しているのに字が読めない歌手が挙げられている（アメリカの識字率の現実については<a title="ヤクザと識字率" href="http://rionaoki.net/2009/09/243">前に書いた</a>）。実際大学において黒人の比率は非常に低い（うちの大学は特に低いため時折批判に会う）。また白人と黒人は社会的にも早いうちに分離する：</p>
<blockquote><p>But somewhere along the line, 5th or 6th grade, the white and black students started to segregate themselves.</p></blockquote>
<p>これは大学になっても続いている。多くの大学生は自分の人種のグループから出ようとしない。小学校あたりで既に分かれているのならその傾向も不思議はない。</p>
<p>では何故「差別」はなくならないのか。これについて著者は自らがレストランでサーバーとして働いた時の経験から説明している。少し長いがまとめて引用しよう：</p>
<blockquote><p>I have a theory to explain why blacks often suffer discriminatory treatment in society. From my experience in the restaurant service industry, servers and bartenders will tell you that black people don’t tip. This is bullshit. I used to argue that the average gratuity percentage of all black customers, while certainly lower, is not <em>much</em> lower than the average percentage from all white customers. The difference is negligible given low gratuities from rural white people and elderly white people.</p>
<p>But those ghetto white people aren’t such a pain in the ass. They’re in and out. Servers don’t remember them. Nor do servers remember the nice black family that was easy to take care of and left 20%. They remember the ghetto black table that sent back their food for trivial reasons, asked for free samples, complained to a manager, or were a major pain in the ass in some other way while not leaving a tip. The treatment I have gotten from ghetto black tables is simply unconscionable. You don’t get that from any other kind of people. Only black ghetto. Even black servers don’t want to wait on black tables. I was the guy that used to argue that waiting on blacks is not as bad as people make it out to be. And even I would get a feeling in my stomach when I saw a black table sit down in my section. Just the chance that this black table could be a black ghetto table could completely ruin my night.</p></blockquote>
<p>掻い摘んで説明しよう。黒人客のチップが他の（同じような社会経済的ステータスの）グループに比べすくないわけではない。しかし、チップを払わない客のほとんどは単に食事してさっさと帰るだけなのに対し、一部の黒人客は大した理由もなく食事を突き返し、無料サンプルを要求し、マネージャーに文句を言うなど非常に面倒なことをした挙句チップを置かずに帰る。この体験が余りにも酷いのでサーバーは黒人の客が来ただけでもしかしたらその客がそういう客なのではないかと思ってしまう。</p>
<blockquote><p>That feeling is uncontrollable. You can’t teach someone not to feel what has been conditioned into their system through experience, like a dog getting its face rubbed in shit after pooping in the house.</p></blockquote>
<p>そしてこれが繰り替えされると、人間は自分の感情をコントロールできなくなってしまう。</p>
<blockquote><p>My theory is that discriminatory treatment stems from people trying to thwart or discourage the triflin’ behavior of the ghetto segment. Imagine how police officers, whose exposure to black ghetto must be much higher, could come to treat all black people. Unfortunately, non-ghetto black people are often subject to the backlash against ghetto black people when they are not to blame. They are being treated unfairly. In my view, one third of the black population is fucking it up for everybody.</p></blockquote>
<p>黒人の一部が余りにも酷いため、多くの人はそれに対策を講じる。ある路地に黒人が集まっていればそれなりの確率でそれが犯罪に結びつくかもしれないので避ける。これは極めて合理的な行動だ。観察できない情報（危険かどうか）が分からないのでそれと相関している他の観察可能な情報（黒人である）を利用しているに過ぎない。そしておそらく人間は単に相関している出来事にも恐怖感といった感情を持つようにできているのだろう（いちいち考えているよりも生存に有利だ）。だがこれは他の心理的問題とは異なる。なぜなら頭で考えたとしてもこの行動は（本人の利得を最大化するという意味で）正しいからだ。</p>
<p>しかも是非はともかく正そうとしても難しい。学歴「差別」を表面上禁止するのは簡単だ。単に求職者に学歴を聞くのを禁止すればよい。学歴はシグナルなので禁止するのは非効率的だろうし、実際に執行するのは困難だろうが理論上は可能だ。しかし黒人に対する「差別」を禁止するのは非常に難しい。肌の色は見れば分かるのでその情報を利用しないように強制することはできない。実際、黒人に多い名前を書いた履歴書を企業に送るとごく標準的な名前で同じ履歴書を送った場合よりも企業から反応がある可能性が有意に低いことが<a title="'Black' Names A Resume Burden?" href="http://www.cbsnews.com/stories/2003/09/29/national/main575685.shtml">知られている</a>。企業は少しでも観察不可能な情報と相関している情報を意思決定に利用する。</p>
<blockquote><p>I can’t think of how normal, mainstream black people can disassociate themselves with the ghetto segment in order to receive normal treatment. The black ghetto segment is so triflin’ that the mere presence of a black person can cause worry in worrisome types.</p></blockquote>
<p>ではまともな黒人はどうやってこの構造が抜け出すのかという疑問が掲げられている。これはそういう黒人を観察していれば分かる。多くの、ここでいうghettoでtriflin&#8217;な、黒人は大きなTシャツにダブダブのジーパンを腰ばきし、キャップやフッディー、指輪・ネックレスなどを着ている。それに対してまともな黒人はそれと限りなく反対の着こなしをする。Tシャツはほとんど着ないし、着てもサイズをきちんと合わせる。大抵はYシャツ。ジーパンもぴっちりとしたものを履くし、チノパンであることも多い。シャツはタックインしてしばしば上にはジャケットだ。スーツを着ている人も多い（これはカリフォルニアでは非常に珍しい姿だ）。しゃべり方もまったく異なる。アメリカの多くの黒人は特徴的なしゃべり方をすることが多くなかなか聞き取れないのに対し、彼らは他の人種よりもわかりやすいしゃべり方をする。オバマの演説なんかがいい例だ。</p>
<p>ではこの問題はどうやったら解決するのだろうか。「差別」が黒人であるという情報に基づいて異なる行動をとることを意味するなら上述のように極めて困難だ。「差別」的な行動により不利な扱いを受ける黒人に対する補償が目的であればアファーマティブアクションが該当するだろう。しかしこれは「差別」自体をなくすのには役に立たない。また、他にも観測不可能な情報と相関する特性を持っているがゆえに不利な扱いを受けているグループは存在する。</p>
<p>根本的な解決には、「差別」自体に対処するのではなく、通常の福祉政策・教育政策・再配分政策によって問題となっている層を何とかするのが唯一の対策だろう。人種によって明らかな優劣は存在しない以上、これらの政策によりいつかは人種との相関は消えていくはずだ（逆に言えば本質的な違いが存在しているタイプの「差別」に関してはこの方策は効果がない）。</p>
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		<title>プロスポーツにおけるミニマックス</title>
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		<pubDate>Mon, 19 Oct 2009 18:04:42 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Rion</dc:creator>
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		<category><![CDATA[ゲーム]]></category>
		<category><![CDATA[スポーツ]]></category>
		<category><![CDATA[心理学]]></category>
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		<description><![CDATA[最近複数箇所で見たような気がするFreakonomicsのSteven LevittがKenneth Kovashと共著した論文の紹介： Matthew Yglesias » Minimax Strategies in  &#8230; <a href="http://rionaoki.net/2009/10/918">Continue reading <span class="meta-nav">&#8594;</span></a>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>最近複数箇所で見たような気がするFreakonomicsのSteven LevittがKenneth Kovashと共著した論文の紹介：</p>
<p><a href="http://yglesias.thinkprogress.org/archives/2009/10/minimax-strategies-in-professional-sports.php">Matthew Yglesias » Minimax Strategies in Professional Sports</a></p>
<blockquote><p>pitch selection in Major League Baseball and play-calling in the National Football League. Authors Kenneth Kovash and Steven Levitt find that: “Pitchers appear to throw too many fastballs; football teams pass less than they should.”</p></blockquote>
<p>プロスポーツは<a title="Zero-sum" href="http://en.wikipedia.org/wiki/Zero-sum">ゼロサムゲーム</a>でもあるにも関わらず<a title="Minimax" href="http://en.wikipedia.org/wiki/Minimax">ミニマックス戦略</a>をとらないというのが結論だ（注：ゼロサムゲームとは利害関係が完全に対立しているゲームで、合理的なプレーヤーはミニマックス戦略をとることが示されている）。これは別にプロスポーツでもなくても同じだ。</p>
<blockquote><p>They opt for the “minimax” solution — the set of plays that minimizes their maximum possible loss – and their play selection does not follow a predictable pattern that might give their opponent an edge. But minimax predictions typically have not fared well in lab experiments.</p></blockquote>
<p>実験室でも被験者はミニマックス戦略をとらない。こちらは進化論的に説明できるだろう。自然界はゼロサムで出来ていないので人間が自然にミニマックス的行動をとるとは思えない。また、実験では勝敗にかかる利害が小さいし参加者がルールを完全に理解しているかもわからない。</p>
<p>ではプロスポーツの場合はどうだろう。プロ選手は勝敗に強い利害関係があるし、ゲームの内容を完全に理解しているのでより理論に近い行動をとると考えられる。よって上記の理由で合理的行動から乖離する可能性は低い。よってプロスポーツでミニマックスが観測できないことは合理性仮説に疑問を投げかけるというわけだ。</p>
<p>しかしプロスポーツがゼロサムだという仮定の正当性はどうなのだろう。プロスポーツの勝敗結果はゼロサムだが、スポーツチームは勝率を最大化しているわけではないし、ましてやここの選手は言うまでもない。勝敗結果を多少犠牲にしてでもファンの支持を得る行動をとるのが、犠牲が小規模に抑えられるのであれば、最適な行動だろう（本当に期待勝敗結果を最大化すると思っているのだろうか？？）。</p>
<p>文献紹介によるとテニスのサーブの左右やサッカーのPK戦のキーバーの行動、ポーカーではミニマックスと整合的な行動をとるとされている。テニス選手の成果がほぼ完全にランキングで決まること、PK戦では結果が全てであること、ポーカーはそもそもファンが評価するものでないことからすれば野球やフットボールの試合より遥に完全なゼロサムになっており、特に矛盾はない。</p>
<p>論文本体へのリンクは<a title="Professionals Do Not Play Minimax: Evidence from Major League Baseball and the National Football League" href="http://www.nber.org/papers/w15347.pdf">こちら</a>。詳しい方のコメント募集。</p>
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		<title>クリーピー</title>
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		<pubDate>Tue, 29 Sep 2009 05:21:26 +0000</pubDate>
		<dc:creator>Rion</dc:creator>
				<category><![CDATA[Regular Posts]]></category>
		<category><![CDATA[ジョーク]]></category>
		<category><![CDATA[メカニズム]]></category>
		<category><![CDATA[心理学]]></category>
		<category><![CDATA[進化論]]></category>

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		<description><![CDATA[アメリカでおそらく最も有名なオンラインコミックxkcdから： xkcd &#8211; A Webcomic &#8211; Creepy 電車で気になる女性を見つけた男性が声を掛けようとするが、一人で最悪の事態を想定し &#8230; <a href="http://rionaoki.net/2009/09/647">Continue reading <span class="meta-nav">&#8594;</span></a>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>アメリカでおそらく最も有名なオンラインコミック<a title="xkcd" href="http://xkcd.com/">xkcd</a>から：</p>
<p><a href="http://xkcd.com/642/">xkcd &#8211; A Webcomic &#8211; Creepy</a></p>
<p><a href="http://imgs.xkcd.com/comics/creepy.png"><img class="aligncenter" title="xkcd: Creepy" src="http://imgs.xkcd.com/comics/creepy.png" alt="" width="740" height="173" /></a></p>
<p>電車で気になる女性を見つけた男性が声を掛けようとするが、一人で最悪の事態を想定して何もしない。でも女性も実は興味を持ってるというプロット。</p>
<p>ここの四コマは割合いつも面白い。今回は二点ほど考えることがある。一つはこの場合の男女マッチングがうまくいかない理由は情報が不完全であるためだということ。この場合両者が興味を明らかにすれば共に得するはずだ。しかし、均衡において情報は隠れたままだ。登場人物の男性は失敗した場合の損失＝恐怖が大きすぎるので相手から明らかなシグナルがなければ声を掛けない。それに対して女性から明らかなシグナルを送ることは相手が女性のことを軽い女だと誤解してしまう（ないし知ってしまう）可能性がある。よって両者ともに何もしないことが均衡になる。この問題については、複数回の接触による情報のやりとり、お見合いのようなシステムが解決策になる。しかしこれらはどれも現代社会では役に立たない。見知らぬ人間が出会いをし続けるという状況自体がごく近代の産物であるためだ。</p>
<p>それに加え進化心理学的な問題がある。上のような解決策はどれも両者の選好を所与としたうえで情報問題をどのようなメカニズムで解決するかということだが、冷静に考えればそもそも両者の選好はあまり合理的とは言えない。例えば男性が声を掛けて失敗することを恐れるのは合理的なのか。現実には、この四コマに出てくるようにfacebookを通じて失敗が知れ渡ることはない。最悪彼女の友達のネタになってもそれ以上の何かがあることではない。よって男性が失敗それ自体を恐れるのはあまり賢いようには思われない。</p>
<p>これは進化論的に説明できる。人間は通常のリスク（特に非常に小さな確率で生じる現象）についてはしばしばリスク愛好的であるのに対し、社会的なリスクについては極めてリスク回避的である。猿が自分の遺伝子を広めるためには子孫が繁栄する必要がある。ある猿にとって森を離れて歩き出すことはその猿自身にとって期待値に言えば自殺行為だが、成功した場合には子孫が繁栄する。その猿の人生にとってはマイナスでも進化論的には非常に適切な行動なのだ。そして我々はみなそういう猿の末裔である。これにより人間が極めて小さな確率を過大評価すること、例えば期待値が価格の半分でも宝くじを買うという行動、が説明できる。それに対し、社会的なリスクは猿にとって致命的だ。二十匹の群れにおいて村八分にされることは個体の死を意味する。そのため社会的行動においては非常に慎重になるのが望ましい。</p>
<p>しかしこれらは何れも現代社会においては当てはまらない。宝くじが自分だけ当たるかもしれないと思うことも、アイドルをみて自分もなれるんじゃないかと思うことも本人の人生にとって期待値的にプラスにはならない（大抵の人が家庭を持って子孫を残せる世の中では進化論的にさえ有利でない）。同じように社会関係における過剰なリスク回避行動も本人の得にならない。この四コマの場合であれば男性が失敗を気にするのは不合理だ。失敗してもまたその女性と会うことはおそらくない。バーであれば次のバーに行けばいいだけだ。最悪違う街にでも引っ越せば何も分かりはしない。</p>
<p>女性にとって同様だ。噂が広まらずほぼ確実に避妊が可能な社会において女性が実際に貞淑であろうとするインセンティブはない。但し、男性には、少なくとも長期的な関係においては、そういう女性を望む強い選好がある点だけは多少違う。男性は子供が本当に自分の遺伝子を引いているかを確認できないからだ。そのため女性は貞淑である必要はないが、そうである振りをする必要がある。具体的には、会話が始まっても簡単に関心を明らかにせず、時間を掛けるということになる。それに対し男性は相手に合わせて待つか、時間を掛けずとも身持ちが悪いということにはならないと説得することになる。この構造は子供に対するDNA鑑定が一般化し、そのことに適合した制度ができれば多少変わるだろうが当分はこのままだろう。</p>
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