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Sun-Oracle合併

まだ欧州委員会からのプレスリリースは出ていないが一応紹介:

CBC News – Technology & Science – EU objects to Sun-Oracle deal

オラクルによるサン・マイクロシステムズの買収提案は今年の四月に発表され、七月には株主の承認がおりている。八月には米司法省の許可もおりているし、つい先日にはその司法省から欧州委員会に向けて、合併が反競争的でない旨の発表までなされている。

European antitrust regulators have formally objected to Oracle Corp.’s $7.4-billion US takeover of Sun Microsystems Inc., citing concerns that the takeover could hurt competition in the database market.

問題となっているのはサンが昨年買収したMySQLの存在だ。言うまでもなくオラクルはデータベースを中心としたソフトウェア企業でその規模はマイクロソフトに次ぐ世界二位だ。

欧州委員会が合併に反対した詳細な理由がないと何とも言えないが、この合併反対はかなり不思議な気がする。合併においては、合併前の企業同士が同じ市場で争っているかが主な争点となるが、OracleとMySQLは対象となる企業の規模がまったく異なる。またデータベース業界にはIBM, Microsoft, Sybaseなど競争相手も多く、合併によって価格を上昇させることはできないだろう。またMySQLはGPLで公開されており、第三者がフォークすることもできる。

一つ考えられるのはオラクルの過去の買収歴を懸念していることだ。オラクルは企業買収を成長戦略の柱としている。有名なPeopleSoftの買収に加え昨年はBEAを買収、データベース以外でもCRMのSiebelなど毎年多くの関連企業を買収している。個々の買収が反競争的でなくても、生産性の向上が示せないような買収を続けることに反対しているのかもしれない(実際PeopleSoftの社員の大多数は既に離職している)。

しかし、競争当局が不明瞭な方針をもっているのは企業に不確実性を与える点で望ましくない:

The uncertainty caused by the EU probe is costing Sun $100 million US a month, Oracle CEO Larry Ellison has said. When Sun released its first-quarter results last week, it revealed a revenue decline of 25 per cent, as competitors IBM and HP, among others, benefited from customer unease over Sun’s future.

合併承認に時間がかかることは社会的な損失を生む。

ちなみに、以下の一節は誤りなので指摘しておく:

Oracle is the market leader in proprietary database software — the kind that is protected by copyright.

GPLもまた著作権によって保護されている。単に変わったライセンスを持っているだけだ。