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キャリア段位

また、政府が何かおかしな制度を作ろうとしているようだ。

「キャリア段位」導入へ=非正規の待遇底上げ-政府

会合では、会社を辞めても次の就職希望先が同一業界ならば、適正な待遇で見つけやすくなるよう、新たな職業能力制度「キャリア段位」の導入に向けた本格的検討に入ることを決定。

職業能力を認定する「キャリア段位」制度を検討しているそうだ。ネーミングはともかく、政府が職業を定義することが可能なのだろうか。

キャリア段位は、分野ごとの実践的な職業能力を客観的に評価する制度。企業で働きながら業界横断的な職業能力の「段位」を取得できるのが特徴で、政府は業界団体や教育機関と連携、介護や環境など成長分野でまず普及させたい考えだ。

特に成長分野において、キャリアを定義し、それに必要な段階的な能力をアイデンティファイし、かつそれを客観的に評価することがどう可能なのだろうか。五年間の導入計画を立てるというが、政府が五年後に必要となる能力を予測することはできない。もし政府ですらそれを予見できるのであればそれは既に成長分野ではないし、そんな誰もが気づいていることを仕事にしても儲かるとは思えない

唯一、政府が将来お金になる職業とそれに必要な能力を把握できるとするなら、それは政府自体が規制により無理やり仕事を作り出してしまった時だろう。「客観的に評価する」ための外郭団体が設立されて税金を無駄遣いしてしまうだけでなく、成長分野ではその内容も的外れで、肝心の成長を阻害してしまう公算が高い。

キャリア段位」への9件のフィードバック

  1. ピンバック: Tweets that mention キャリア段位 » 経済学101 -- Topsy.com

  2. こんにちは

    段位制度は直感的にうまくいかないだろうなとは思いますが、これを論理的に説明するのはなかなか難しいですよね。実際に有用なスキルは市場が自発的に選択されるべきだと思いますが、その前提がまず労働市場が流動化することなので、まず誰かが動き出さないと選択スキームが発動しない。

    一度動きがはじまると流動化は一気に加速するものと思われますが…。

    • もう流動化は始まっているので時間の問題のような気もしますが、政府が口を出してもうまくいかないのはよくわかります…。

  3. いま総務省に問い合わせたところブログ段位は十段まで作るそうですが「Rionさんのブログは残念ながら良くて七段だろう」とのことです。政府の政策をもっと持ち上げれば八段、受験料を1万円払って合格すれば九段(免状料3万円+事務手数料5000円)、十段になるためには、ウェブデザイン検定1級を取得した上で、文科省指定のブログ講座を大学または指定民間教育機関で3ヶ月受講する必要があるそうです(免状料5万円)。

    政府は、インターネット関連企業が十段取得者を雇用した場合には、一人につき補助金300万円を支給することを検討中だそうです。

    • 一行目で脅威の行動力!!!とか思ってしまいましたよww。

      これは確かに雇用に繋がりそうですねw。

  4. どうして役人は、資格とか認定とか、天下り組織の必要な事に結び付けたがるのでしょうか。役人の行政手法と外郭団体の因果関係について、ぜひ考察をお願いします。

    • それはもちろん天下り組織が多いに越したことはないからでしょうね。そこまでチェックする有権者も少ないので。

  5. 青木さんはじめまして。いつも楽しみにブログを拝見しています。
    この「キャリア段位」の件、似たような話で、東京都ではこんなことを考えているようです。多少はヘルシー志向になってます。

    業界のニーズに即した新しい人材育成システム-「東京版スキルスタンダード」を活用した人材育成について
    http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2010/06/20k63200.htm

    • はじめまして。コメントありがとうございます。

      これまた的外れな予感がありますが、地方政府の場合には一応自治体毎の競争なんかもあるので政府がやるよりはいいかなあと思います。国がやると上手くいってるのか調べようもありませんし。

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