日本のシリコンバレー!?

産業振興策というと胡散臭いが、地方レベルでうまくいっている例というのは興味深い。

岐阜は日本のシリコンバレー!? 「セカイカメラ」や「Finger Piano」生んだ県の振興策

大垣市のIT施設「ソフトピア・ジャパン」内にプロジェクト拠点「ドリームコア・コレクティブ」を開設し、iPhone55台を整備。その上で、ITベンチャーの入居料減免やアプリ開発教室「iPhone塾」を設置するなどした。

岐阜県でiPhoneの講習会を行ったり、ベンチャー支援したりして効果が上がっているとのこと。地方レベルでの試みに可能性を感じる理由は二つだ:

  1. 地方間の競争がある:他の市町村の政策より上手くいっていなければ明白である
  2. 徴税能力に限界があり、野放図な支出は難しい:国に比べればこういった裁量は遥かに少ない
  3. 国政に比べて行政への有権者のチェックが細かい:省庁レベルのある政策の成否が原因で議員の地位が脅かされることはないが、市町村首長であれば重要な論点になりうる

一方で、多数の地方自治体が「日本版シリコンバレー」的政策を実行しており、成功例の存在が全体としての効率的投資(=税金の使い道)を意味しない。ある地方のレジャー施設の成功が日本中にある寂れたレジャー施設を正当化しないのと同じだ。失敗のツケは税金で取るという構造がある以上、このような懸念は払拭しようがない。

とはいえ、今回の例でiPhoneが中心になっているのは面白い。

  • 産業政策の最大の問題は「産業」を選ぶ能力が政府にないことだが、センスがよさそう
  • ネット系のビジネスだが、iPhoneを使って参加者を物理的に集めている
  • 開発のためとはいえ複数の端末を用意するのは費用がかかり、特に学生には難しい

さらに他のタイプの講習会なども開催できれば多様な人的交流が発生し効果が高まりそうだ。例えば海外のメディア・マーケティングに詳しい人が集まれば、開発したアプリを日本ローカルに留めずにうまく世界に広めていくといったこともできるのではないだろうか。

P.S.

IT系のビジネスは本来世界展開が比較的簡単ですが、業界の人は結構ドメスティックな印象がありますがどうなんでしょうか。もちろん国際的に活躍する方もいますが、比較的少数に思えるし、実際に海外で在住しているとビザの関係もあり起業とはいかないというのもあるのかもしれません。

日本のシリコンバレー!?” への3件のコメント

  1. ピンバック: Tweets that mention 日本のシリコンバレー!? » 経済学101 -- Topsy.com

  2. はじめまして
    疑念として指摘されていることは、この岐阜の施設にも間違いなく言えると思います。地域的に近い位置から彼らの活動を見る限り、投資効率は非常に悪く、産業的に成功したというケースは10年以上聞かなかったです(数値データは持っていませんがかなりの予算を使っているはず)。しかし今回この報道をみて、成功例が出ていたことに驚いた限りです。効率は非常に悪いが必ずしもゼロではないということですね。

    • はじめまして。成功例は驚きですが、これをみて「うちでもやろう」みたいな周回遅れな市町村が現れないか心配です。

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