プライオリティ・インボックス

IDをめぐる争い」ではFacebookが電話を駆逐するという記事を取り上げた。今回はGoogleの取り組みを見てみる。

Gmailが電話に進化 – Googleが米国で「Call phone」開始 | ネット | マイコミジャーナル

電話の弱点としてあげられていたものの一つはノイズだ。

制御不能 誰でもその10桁をダイヤルできる。別れた彼女も、選挙運動員も、押し売りも。番号非掲載、ナンバーディスプレー、着信拒否リスト等々でこの問題を解決しようとしたが、いずれの方法も望まれない電話を防いでくれない。

電話番号さえ分かればコールできるのでコミュニケーション手段として効率が悪いのに対して、Facebookならポリシーを使ってコントロールできるというわけだ。同じ問題はメールにも当てはまる。スパムの判定は正確になってきたものの、膨大なメール処理に終われている人が多いだろう。Googleのこの問題に対する答えがPriority Inboxだ。

Gmail Priority Inbox Sorts Your Email For You. And It’s Fantastic

Priority Boxは入ってきたメールを過去の情報に基づき分類する。今まではスパムかそうでないかだけを区別していたのに対して、今度は重要性まで判定する。これによってまず処理すべきメールに優先的に対応することができる。スパムフィルター同様「鍛える」ことができるので重要性判定の精度も徐々に上昇するだろう。Facebookが交友関係をベースにメッセージを区別するのに対し、過去のメールやユーザーの行動をもとにアルゴリズムでメッセージを分別するのはいかにもGoogleらしい

Googleの本当の目的はGMailをさらに便利にすることには留まらないはずだ。Priority Inboxが便利であれば、ユーザーはその精度を高めるためにより多くの情報を登録し、アドレス帳にはソーシャルな情報が集まってくる。最近、GoogleがGMailのアドレス帳機能を強化してることとも整合的だ。BuzzではGMailにソーシャルな機能を後付しようしたが、今回はGMailそのものをソーシャルな方向に進ませているように見える。Facebookの登録にもメールアドレスが必要なようにIDとしてのメールアドレスの地位は電話並に強固だ。今後の展開が興味深い。


プライオリティ・インボックス」への2件のフィードバック

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  2. ピンバック: 絵で見るコミュニケーション手段の拡大 » 経済学101

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