スクルージノミクス

面白そうな本がいつも読んでいるブログで紹介されていたの注文してみた。本の名前はScroogenomicsだ。

Game Theorist: Scrooge is an economist

スクルージ(Scrooge)というのはディケンズの小説クリスマスキャロルの主人公で極めつけの守銭奴として描かれている。

Scroogeonomics is an aptly titled 170 odd page presentation of the case against Christmas but more generally against gift giving.

この本は贈り物をする習慣に反対する内容だそうだ。他人にプレゼントを贈るのがあまり「効率のよい」行動でないのは明らかだろう。第一に相手が何を欲しがっているのかが分からない。実際、

Actually, he does better than that, he calculates it. It is around $12 billion per year made up of the money value of the total difference between what a gift is worth to someone versus just having the money.

お金をそのまま渡すのに比べて年間120億ドルの無駄が生じているそうだ(そしてプレゼントを選ぶのに悩む時間費用もだ)。だからといって現金を人に上げるのは難しい。アメリカでは冠婚葬祭でも現金がやりとりされることはほとんどない。現金が望ましくないとされている社会では、ある個人がそれを変えることはできない。

とはいえこういう風習はだんだんなくなってきているように思う。親戚が子供に物を買って与えることは少なくなってきている(うちでは子供のころから現金だったような気がする)し、カタログや金券も増えている。百億ドル単位での無駄があるのならこの流れは当然だろう。むしろプレゼントを渡すという習慣がどのように発生したのかのほうが興味深い。ほぼ全世界共通ともいえる習慣であり単なる偶然なはずはない。この本がその辺を解き明かしてくれると期待してみよう。