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いつ専攻を決めるべきか

学生がいつ専攻を決めたかで将来の職業と大学での専攻との関連性がどう変わるかについて:

News: When to Specialize? – Inside Higher Ed

紹介されているのはOfer MalamudのDiscovering One’s Talent: Learning from Academic Specializationという研究。

To try to answer that question, Malamud compared entering college students in England, who apply for a specific field of university study while in high school, with those in Scotland, who enter a broad “faculty” for their first two years and typically specialize in a single discipline only for the second half of their time at a university.

彼は、大学入学時に専攻を決めるイングランドの大学生と後半になって決めるスコットランドの大学生を比較した。アメリカの大学は一般的に後者だ。進みたい学科が要求している単位・点数を満たした学生が途中で専攻を決める(declare major)。日本は前者の大学が多いが、東大のように最初の二年間は教養教育に当てるところもある。上にあるスコットランドのケースはそれに極めて近い。

In fact, the data showed that students who emerged from the English institutions were about 20 percent more likely than their peers in Scotland to end up in careers that were not aligned with their university majors.

結果は、入学時に専攻を決めるイングランドでは20%ほど専攻とは関係のない仕事に従事する割合が高かったとのことだ。

これは面白い結果だ。早く専攻を決めるということは卒業時により専門化されていることを意味する(はずだ)。よって賃金面で言えば、他の条件が同じなら、専攻に関係する仕事に就くのが望ましくなる。

The students at Scottish institutions, by contrast, seem more likely to have chosen to study fields that successfully aligned with their career interests, says Malamud, success that he attributes to the time and freedom they’re given to experiment with a broad range of fields, and to learn both what they like and what they’re good at.

これについて、スコットランドの学生の方がいろんな分野を試すことで自分がやりたいことや自分が得意なことを発見しているからだと説明している。

もう一つの説明は、専門化を遅らせることでちゃんと仕事が存在する分野を勉強するというものだろう。大体から言って自分が好きなことをすべきというのは最悪のアドバイスだ。そういった変な教育を辞めれば仕事のミスマッチとかいう問題は消えてなくなるような気もする。

いつ専攻を決めるべきか」への3件のフィードバック

  1. 日本の理工系は大学によって専門が決まる時期が違いますね。私が学生だった頃、東大が3年目から、東工大は2年目から、早稲田は1年目からでした。他の色々な大学の話を聞いても、どうやら入学時に緩やかに分野を分けておき2年目から専攻を分けるというのが最適解のようです。やはり大学に入ってからしばらくは分野の雰囲気を理解する時間が必要だと思うからです。ただし、もっと大事なのは専攻を容易に変えられるようにしておくことでしょう。結局のところ、一度本気でやってみなければ適性など判断できないので。日本の場合、新卒一括採用の弊害で専攻を変えるハードルが高すぎます。数学科では大学1年の5月でもう数学が嫌いになっていて、そのまま4年間耐えて文系就職という例も少なくありません。

    >自分が好きなことをすべきというのは最悪のアドバイスだ

    これは面白い視点ですね。基本的に若者というのは人生を複線的に考えることが苦手なので、大人は本人の希望や適性を尊重しつつ複数のプランを提示してあげることが大事だと思います。例えば、ピアニストになりたい子には音楽の教職免許を取っておくようアドバイスする、というようなことです。

  2. >もっと大事なのは専攻を容易に変えられるようにしておくことでしょう。

    これは本当にそう思います。私は二年おきに専攻をかえています。それなりの苦労はありますけど変えられないようにする理由も見当たりません。

    >大人は本人の希望や適性を尊重しつつ複数のプランを提示してあげることが大事だと思います。

    なんというか、一番大事なのは仕事と人生は違うってことかなと思います。仕事を決めろというのではなく生活のあり方を選択すると言う風に説明したらわかりやすいかなと。

  3. ピンバック: 好きなことを仕事にするな » 経済学101

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