昨日、相対貧困率の問題について触れたが、アメリカにおける所得階層間の移動について:
National Journal Magazine – Is The American Dream A Myth? via Economist’s View
アメリカでは機会の平等さえあれば結果の平等は気にしなくてよい、ないし無視すべきだという主張が支配的だ。しかし、実際に所得階層を移動する人は少ないことが指摘されてきた。
A study of attitudes in 27 countries found that Americans, more than people elsewhere, tend to believe that intelligence, skill, and effort will be rewarded with success.
アメリカ人が、能力・技術・努力で成功をつかめると思っていることにはかわりないようだが、
Though we venerate the American Dream, studies show that children born to low-income parents in the United States are more likely to remain trapped near the bottom than their counterparts in Europe, the authors report.
実際に親の所得階層と異なる階層に移動する人の数は限定的で、貧しい家庭に生まれた子供が貧困層に止まる可能性はヨーロッパよりも高い。
These are deeply unhealthy, even destabilizing, patterns. If advanced education is the key to economic success, it’s dangerous to reserve it primarily for those who start out on top.
ここでは教育費用が問題となっている。大学卒業の賃金プレミアムは非常に高い水準になっており、これは当然といえる。
Although affordability remains a challenge, they say that enough financial aid is available for needy students that money is not the principal obstacle.
著者は大学による価格差別によりこの問題はそれなりに対処されていると考えている。
個人的にはこの問題は情報化社会の進展よりむしろ深刻になっていくように思う。大学教育を必要とする職業の数は減少しており、ネットワーキングの場としての側面が重要になりつつあるためだ。ネットワーキングは生まれ育った環境は両親のネットワークによる部分が非常に大きく、貧困層で育った子供が大学に入って突然社交的になることはほとんどない。むしろ在学中もアルバイトに励み周りに馴染めない傾向が強いだろう。