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ブログにおける広告の規制

連邦取引委員会(FTC)がブログにおける宣伝行動について発表した指針が波紋を読んでいる。

More transparency coming to blog reviews under new FTC rules – Ars Technica

指針の内容は以下の通りだ:

“Consumer-generated media” outlets (e.g., bloggers) will now have to disclose if they are being compensated by a manufacturer, advertiser, or service provider when they review an item.

ブロガーを一つとした消費者発信メディアにおいても、補償をうけて製品レビューについてはその情報を公開すべしというものだ。これには多くの問題が指摘されている。

  1. そもそも補償をうける(being compensated)が何を意味するのか不明確である(レビュー用サンプルを受け取ることは該当するのか。
  2. ルールが作られる過程に消費者メディア側の意見が取り入れられていない。
  3. オンラインとオフラインとの区別が恣意的である。
  4. そもそも言論の自由を侵害するのではないか。

2番目の問題が他の問題に深く関連している。消費者メディアにはわかりやすい代表団体がいない。参加者の数が膨大かつ利害が一致しないためだ。記事中では、Interactive Advertising Bureauという、ネット上での広告企業の団体がFTCを批判している。

さらにもう二点ほど重要な論点があるだろう。一つは規制をかけるとして誰に義務をおわせるのが適切かということだ。ブロガーが情報を適切に公開する義務を負うのと、製造者・広告主が義務を負うのとではどちらが効率的なのか。実際にエンフォースするための費用を考えるとブログの場合後者が適切なように思える。

二点目はそもそも情報開示を強制する必要はどこにあるのかということだ。お金をもらって製品レビューをすることがそれほど読者にとって望ましくないのであれば、それをしていない人がそれを明示するようだろう。これは財務諸表などの会計情報開示や会計監査がそもそも必要なのかどうかという問題と同じだ。実際オフラインでのこのような規制がない一因はこれだろう。例えばコンピュータ雑誌をみてそこのレビューを本気で信用するひとはいないだろう。雑誌には広告主がいるわけで信用する理由がない。逆にレビュー対象から一切広告を含めた収入を得ないことを売りにしている雑誌もある。別に言論の自由に触れるまでもなくこれで十分ではないかということだ。