クリアに考えること

深いことを言ってるような雰囲気で、実際によく読んでみると何を言ってるのか分からない文章は多い。一々突っ込んでいても埒があかないし、そんな時間もないので、次のニコラ・テスラの言葉を送りたい(磁束密度の単位に使われているテスラだ)。

The scientists of today think deeply instead of clearly. One must be sane to think clearly, but one can think deeply and be quite insane. (Nikola Tesla, Modern Mechanics and Inventions. July, 1934)

どんな文脈で出てきたのか知らないがいい言葉だと思う。科学者に宛てられているが、これは数学を用いない学問にこそ当てはまる。数学は複雑な対象を明晰に考えるための補助輪のようなものだ。そのレールに乗っている限り仮定から論理的に導けないことは主張できない(注)。逆に言えば、数学が使えないような分野でこそ論理的な思考の重要性は増す(だから論理的思考云々というビジネス書が売れるのだろう)。数理モデルがないような主張をする時には気を引き締めたい。その意味で、数学ができないから文系なんていうのは実におかしなことだろう

(注)これが義務教育で数学を教える本当の理由だろう。数学ではどれだけ明らかに見えることも証明できなければ意味がない。当たり前だと泣き叫ぼうがいくら具体例を挙げようが、数学のプロトコルに沿って順序立てて説明する必要がある。これは子供に社会にはルールがあることを教え、幼児的全能感から抜け出させる一つのステップになる(だから数学が抜きん出てできる人は子供っぽいことが多い)。

クリアに考えること」への12件のフィードバック

  1. それが、フェルミ推定だと思います。
    経営分析能力にもなります。
    統計的手法です。
    QC七つ道具です。
    PDCAを回すことです。
    そんなに難しいことではありません。
    今、やっていることで、作業の内容を細かく分けてみて、どの箇所が一番、ボトルネックになるかを見分けることです。できれば、その問題を計量できたほうが、後で作業の効率化を計るときに有効です。

    • 同時に直感を磨くことも大事だなと思います。一々全てモデル作って計算なんて出来ませんし、綺麗にはまらないことも多いです。

  2. trainされていない直感が、いかに脆いものか、数学は教えてくれますが、義務教育の数学では実際のところそこまではほとんど進まみませんよね。

    先日盗み聞きした会話に出てきた、pure logicからはmorality based solely on self-interestしか出てこない、と言うトンデモな説を思い出します。big wordsをふんだんに使った知的風な会話でしたが…Berkeley名物ですね。

    テスラのfirst nameはNikolaです。

    • >big wordsをふんだんに使った知的風な会話でしたが…Berkeley名物ですね。

      その辺歩いているだけでたくさん聞けますw。

      >テスラのfirst nameはNikolaです。

      ですよね。。。ちょっと茶目っ気を出してGoogle IMEを使ってみたせいです、と言い訳してみる。

  3. ピンバック: アクチュアリー試験数学の研究

  4. うーん、数学についてコメントするのは一番難しい。多分、明確な論理構成を無意識に要求してしまうからだと思います。ブログの記事なんて「穴だらけだなw」と自分で思いながらサクサク記事をアップしたら意外に受けた、とかそんなのばっかりなのに(笑)。

    • (笑)。よく知っていることのほうがツッコミ場所が見えてしまって書きにくいですね。経済なら、しかし現実的なシチュエーションならその例外は無視できるみたいな言い訳もありますが、数学じゃ。。。

  5. > 数学ではどれだけ明らかに見えることも証明できなければ意味がない
    ここの意味が分かりませんでした。「数理モデルを使えば明らかに見えることでも、その数理モデルがある事象をただしく説明できていることを示していなければ意味がない」ということでしょうか?

    • 例えば素数が無限にあるのは、いくらでも例を挙げ続けられることから「明らか」ですが、数学の問題であればそれをやっても点数には成りません。証明をしないといけないということです。

  6. この記事は、他の記事とくらべて何がいいたいのか分かりづらかったです。「数学が使えないような分野でこそ論理的な思考の重要性は増す」が一番言いたかったことでしょうか?。根拠はどの部分でしょう?

    おまけ:「いくらでも例があげられるから無限」がまさにこの問題の証明で、点がもらえると思います。(素数の個数が有限と仮定→最大素数mより大きい素数が必ず存在(=m以下の全素数をかけたもの+1)→矛盾→素数は無限)。ま、話の趣旨からずれるのでいいです(^^;。

    • 数学が使える分野では頭で論理性を保たなくても、数学というかモデルが論理性を担保してくれます。それができない場合には慎重になる必要があります。

      おまけについてはそういうふうに背理法で書けば点になりますが、順番に書き出しても点数にはならないということです。

  7. ピンバック: 統計学+ε: 米国留学・研究生活

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