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ミルクにもインフォグラフィック

牛乳パックにもインフォグラフィックスを入れたらどうなるか。

Nutritional facts redesigned

デザインを行っているのはモントリオールのデザイン事務所だ。牛乳パックのデザインとしてはなかなかカッコいい。ちなみにアメリカによくある牛乳のデザインは次のようなものだ:

ちなみにこれはAmazon.comで売られているミルクだ。一体生乳をアマゾンがどう売るのかはよく分からないが、どうも製造元関係者にしか見えない絶賛コメントに溢れている。サイズは1ガロンなので訳3.8リットルとなっている(よって本当は下のボトルの方が上のパックより4倍近く大きい)。まあこの二つがスーパーに並んでいたら上を買いたくなる。

しかし、デザインとはいえ気をつけることもある。キレイな栄養情報の表示が必ずしも分かりやすい、誤解のない表示方法とはいえないからだ。具体的なラベルは読めないが以下のような問題がある:

  • 視覚化が標準化されていないため比較が困難(逆に標準化されるとデザインとしては意味がない)
  • 同時に誤解を招く表示になっていないかの規制も難しい

もちろんメリットとしては栄養情報が分かりやすくなるというものもあるが、これなら情報を規格化して例えばQRコードのような形で貼っておくだけでもよい。消費者は自分の端末や視覚化ソフトウェアで好みの表示方法を選べる。毎回同じソフトウェアを使えば比較は可能だし、製品の数よりソフトウェアの数の方が少ないので規制やレビューも容易だろう。

食べ過ぎ大国

アメリカ人の肥満具合はよくネタにされるが、一体どのくらい食べているのか。データがあったのでちょっと覗いてみよう。

ERS/USDA Data – Food Availability (Per Capita) Data System

As with the basic food availability data, the Loss-Adjusted Food Availability Data series does not measure actual consumption or the quantities ingested.

農務省のEconomic Research Serviceから公表されている情報だ。普通の栄養学的な情報とちょっと違うのは、このデータは実際の食事に関するデータに全く基づいていないところだ。

They are calculated by adding total annual production, imports, and beginning stocks of a particular commodity and then subtracting exports, ending stocks, and nonfood uses.

このデータは食糧の生産量・輸入量・期首の在庫から輸出量・期末の在庫・非食用利用を引いて計算されている。そこから実際に消費者の口に入るまでに生じるロスを推定して一人当たりの摂取カロリーを作るわけだ。そのため地域別データもないし、男女別の数字すらない(よって例えば南部の州の男性だけ取り出せばこれよりも遥かに多い数字になるはずだ)。

そこから七種類の分類別にカロリー摂取量の推移をグラフにしたものが上だ。最新の2008年で平均摂取カロリーは2,674Kcalとなっている。これは2002年のピーク時における2730Kcalよりは低いが、四十年前に比べると30%の増加だ。推定ロス率を掛ける前の消費量は約3,900Kcalとなっている。

国会図書館のページによると、日本の平均消費カロリーは厚生労働省調べで1,891Kcalとされていてアメリカよりも1,000Kcal近く少ない。

『World health databook 2007/2008』の「Japan: Nutrition and obesity 1999-2006」のデータソースは“Source: WHO/OECD/Euromonitor International”となっていますが、食い違いの原因は不明です。

ちなみに上記ページではWHOによる日本の摂取カロリー2875.3Kcalと厚生労働省の数字との食い違いが指摘されているが、これはロスを計算に入れているかどうかの違いだろう。おそらくWHOの数字は単純な食糧消費(経済から消えた食糧量)から計算しているのに対して、厚生労働省の数字は実際に口に入れたカロリー量を計算していると思われる。

サラダはビッグマックより高い

マクドナルドでサラダがビッグマックより高いのにはいろんな理由があるが、補助金政策もその一端だ。

Why A Salad Costs More Than A Big Mac – The Consumerist via FlowingData

右側が連邦政府の推奨する食品の配分、左側が政府が出している補助金の配分だ。如何に肉類・乳製品に大きな補助金が出ているかが分かる。砂糖やハイフルクトースコーンシロップの原料となるコーンへの補助金も莫大だ。この状況でファーストフードは身体に悪いから税金をかけようというのは何かおかしい。

日本の場合どうなっているかも興味があるが、関税や輸入割当を通じた補助金以外の保護が多いので数字を出すのが難しそうだ。