Posts Tagged ‘Visualization’

ハンバーガー地図

March 10th, 2010

マクドナルドの分布を前に取り上げたので、これも取り上げないわけにはいかない。ちょっと真面目な記事を仕上げる時間がないので箸休めにどうぞ。

A Disturbance In The Force « Weather Sealed via Flowing Data

今回はマクドナルドと競合するハンバーガーチェーンを表したマップだ。AggDataというサイトで販売されている各チェーンの所在地情報から作られている。$20-$50と割合リーズナブルな価格設定だ。

見たことがないがSonic Drive-Inというチェーンがテキサスを制している。あとはJack In The BoxがLAを中心にCAに展開していること、Wendy’sは東側に多いなんてことが分かる。

マクドナルドが12,000店舗、今回挙げられている競合チェーンは合計で24,000店舗以上あるそうだ。アメリカでは独立系のハンバーガー屋も多いし、ビールが飲めるところの多くでハンバーガーを出す。

ちなみにそのマクドナルドを超える店舗数を誇るのがSubwayで23,000店舗を超えているようだ(追記:タイポで桁があがっておりました)。

日本経済の現状

March 4th, 2010

経済産業省が公表しているスライドがよく出来ているのでここでも紹介(ht @kazemachiroman)。日本が抱える問題とここに至るまでの経緯が丁寧に解説されている。ではどうしたらいいのかという部分になると急に説得力がなくなるが、日本語だし全部読む価値はあるように思う。特に興味深いグラフを幾つか抜粋する。

日本の産業を巡る現状と課題

まず各国の貯蓄率の推移だ。日本は貯蓄率が高く、アメリカは借金だらけというイメージを持つ人が多いと思われるが、日本の貯蓄率はアメリカを下回っている。高齢化や社会保障によって貯蓄率が下がるのはしょうがないが、それにしても衝撃的な数字だ。

最近、株主主権の問題と絡めて話題となった労働分配率だがここでも日本は英米独仏などよりも高い水準を保っている。特にドイツが一番低いのは興味深い。

企業の海外移転に関するアンケート結果だ。多くの企業が生産機能移転を決定ないし検討しているとのこと。生産コストを考えればその流れは当然だろう。日本で働く人は開発・研究・本社機能で能力を発揮出来るようにならないと厳しい。

こちらは三大都市圏及び地方の人口推移だ。全体に人口が減っていくものの、相対的に地方での人口減少が深刻となる。

特に地方圏では、今後急速に人口減少。地域経済の立て直しが深刻な課題。

とはいえ、既に莫大な予算をつぎ込んでいる地方経済をどう立て直すというのだろうか。

実質失業率は急激に伸びている。日本の比較的低い完全失業率は企業による抱え込み=保蔵によって維持されているに過ぎない。

当然これだけの余剰人員を抱えていれば労働生産性で他国に引けをとるのは当然の帰結だろう。

企業内部で再配分が行われているような状況であり、雇用者報酬も伸び悩む。国境を越えられるような人材の確保はますます難しくなりそうだ(こっちも購買力平価だよね?)。

では日本の問題は何か。まず挙げられているのが実効法人税率の圧倒的な高さだ。どこの国で始めても良いような産業があえて日本を選ぶことはないだろう。儲かりそうであるほどそうだ。運輸の関する費用も高く事業コストが足かせになっている状況が分かる。

資本市場としての魅力もない。シンガポールの躍進をみればアジアでの地位は完全に失われたといっていいだろう(追記:資本市場の地位という意味)。

資料では、これらの経緯・現状を踏まえた上でさらなる産業政策の重要性が強調されているが、現状はその産業政策の失敗とも捉えられる。まずは企業活動がしやすい環境を整え、国内での競争を促進することで生産性を上げることが重要だろう。そうすることで、政府が成長産業を決め打ちしなくても、優秀な産業が競争に生き残る。

結論部分こそ微妙だが、全体として非常によく出来た資料なので、時間のある時にでも是非読んでみてほしい。

新聞と政治

February 28th, 2010

新聞の政治的な傾向(slant)についての興味深い研究が紹介されている。

Econbrowser: What drives media slant?

Gentzkow and Shapiro propose to measure the slant of a particular newspaper by searching speeches entered into the Congressional Record and counting the number of times particular phrases were used by representatives of each party, mechanically identifying phrases favored by one party over the other.

議会で民主党と共和党が使用した語彙が各新聞で使われている頻度から政治的な傾向の指標を作っている。主観的な指標よりも望ましいだろうし、結果として主観とも整合的だ。日本でも知られている(?)ところではLA Times・SF Chronicle・NYT・WaPoなんかは民主寄り、WSJ・Washington Timesなんかは共和寄りだ。

面白いのは、新聞社の所有者が新聞の政治的な傾向に及ぼす影響だ。

右が政治的傾向、左が同じ所有者の新聞の政治的傾向の平均となっているが、統計的に有意な相関は見られないとのこと。つまり所有者ごとに強い政治的傾向があるわけではないということだ。新聞と流通地域の政治的傾向には相関があることからすれば面白い。

Gentzkow and Shapiro conclude that papers to some degree are just giving their readers what the readers want so as to maximize the newspapers’ profits.

これについて筆者らは新聞社は単に読者が望むものを提供しているだけだと結論づけている。確かに、読者が望まない主張を押し付けようとしても売上が他の新聞社に回ってしまうだけでは経営が成り立たない。

新聞がごく一部の強い好みを持った人だけが購読するものになれば、誰にでも売れる新聞よりも極端な主張の新聞が増えるだろう。

追記:後半の推定については全国紙(NYT・WSJ・CSM・USA Today)は除外している模様です(ht @TrinityNYC)。

エスニシティ別所得ギャップ

February 26th, 2010

アメリカのエスニシティ別の所得の推移を示した綺麗なグラフ:

The US Income Gap | MintLife Blog | Personal Finance News & Advice

内容自体は極めて常識的で、白人およびアジア系の所得が高く、女性の所得は低い。但し、このことから直接結論を出すのは難しい。このグラフはむしろ単純なグラフを読む上での落とし穴を考えるのにいい。ぱっと思いつくだけでも以下のような問題点がある:

  • 平均所得であってメジアン所得ではないので、外れ値に大きく影響される
  • 労働時間で調整されていない;アジア系の所得が高いのは労働時間が長いためでもあるし、女性が低いのも労働時間が短い部分が大きいだろう
  • 推移だけを見るとギャップが開いているように見えるが、片対数グラフではないし、インフレが調整されていないように見える
  • 教育水準などで条件付されていないので、エスニシティ別の所得を見ているつもりで学歴別の所得を見ているだけかもしれない

最近アメリカではグラフを含めた視覚化を行うサイトが相当数あるが日本でも似たような試みがあると面白い。

イノベーションのコスト

February 26th, 2010

研究開発費に関するグラフが幾つか。大まかな数字をつかんでおくのは重要。

Paying for Innovation – Economix Blog – NYTimes.com

国立科学財団(National Science Foundation; NSF)によるレポート(Science and Engineering Indicators: 2010)からグラフが引用されている。

まずは研究開発費の内訳だ。現在企業による投資が70%近くで、連邦政府のシェアは戦後下がり続け30%を切っている。これは1930年代の水準に迫るものだ。とはいえ、この数字がすなわち研究開発における政府の役割の低下を示すものではない。

Academic performers are estimated to account for 55% of U.S. basic research ($69 billion), 31% of total (basic plus applied) research ($157 billion), and 13% of all R&D ($395 billion) estimated to have been conducted in the United States in 2008.

大学は研究開発費の13%しか占めていないが、基礎研究の55%を占めている。

ちなみに日本はというと、やはり企業に研究開発の割合は近年70%前後で安定している。上のグラフは科学技術研究調査から作った。NSFのグラフの連邦政府は大学や企業への補助金を含むので直接の比較はできないが、研究開発費の大部分を民間企業が請け負っているのは共通している。

研究開発費そのものは世界中で上昇している。国ごとの相対的な量では中国が急激に伸びている以外、比較的安定している。

GDP比でみると日本は非常に高い水準を保っているが近年韓国に追い抜かれている。アメリカ・EUは安定しているが、中国はここでも急上昇を見せている。採集データは2007年となっており、現在では絶対量で中国に負けているようだ

但し、本来はイノベーションのアウトプットを比較するべきだが、測定が極めて困難なため費用を比べざるをえない点には注意が必要だ。使った金額だけにとらわれずどれだけ効率に使うかという視点は忘れてはならない。