アメリカの喫煙率を視覚化した地図:
What are the effects of smoking bans? – Statistical Modeling, Causal Inference, and Social Science
殆どの州で25%以下でありカリフォルニアに至っては15%以下だ。バークレーでは喫煙者を見かけることは非常に稀だ。むしろマリファナを吸っている人の方が多い。
アメリカの喫煙率を視覚化した地図:
What are the effects of smoking bans? – Statistical Modeling, Causal Inference, and Social Science
殆どの州で25%以下でありカリフォルニアに至っては15%以下だ。バークレーでは喫煙者を見かけることは非常に稀だ。むしろマリファナを吸っている人の方が多い。
アメリカの車社会度合いよく示しているマップがあった:
Driving Alone: D.C. Is Greenest – Economix Blog – NYTimes.com
色の濃い州ほど、単独で自動車通勤をしている人の割合が高いことを示している。都市部では公共交通機関の発達やカープーリングの導入などにより色が薄くなっている。しかし、むしろ興味深いのは絶対的な水準だ。
The District of Columbia and New York — whose residents are heavily dependent on public transportation — had the lowest rates of solo commuters, at 37.2 percent and 53.7 percent.
ワシントンDCとニューヨークがもっとも公共交通機関に依存した州とされているが、それでも一人で自動車通勤する人の割合は37.2%と53.7%だ。日本での正確な数字は分からないが検索したら見つかった古い内閣府の調査によると人口30万人以上の都市部では20%というところだ。
NYCで外食チェーンでのカロリー表示を義務付ける法律が施行された。
Calorie Postings Don’t Change Habits, Study Finds – NYTimes.com
しかし、予定通りとはいかないようだ。
About 28 percent of those who noticed them said the information had influenced their ordering, and 9 out of 10 of those said they had made healthier choices as a result.
28%の消費者はカロリー情報が注文に影響を与えたと答え、10人に9人はより健康的なメニューを頼んだと言っている。
But when the researchers checked receipts afterward, they found that people had, in fact, ordered slightly more calories than the typical customer had before the labeling law went into effect, in July 2008.
[…]
For customers in New York City, orders had a mean of 846 calories after the labeling law took effect. Before the law took effect, it was 825 calories. In Newark, customers ordered about 825 calories before and after.
しかし実際にレシートを集めてみるとなんと摂取カロリーが増えているということだ。もちろんカロリーが増えたこと自体は法案の効果がないことを意味しない。マクドナルドでの買い物内容には差がでなかったとしてもそこでの摂取カロリーを認識することで他の食事の内容が健康になる可能性はある。また長期的な影響はプラスかもしれない。
When asked if he had checked the calories, he said: “It’s just cheap, so I buy it. I’m looking for the cheapest meal I can.”
だが本当の問題は貧困にあるようだ。ファーストフードチェーンを訪れる客の多くは単に価格で食事を選んでいる。アメリカでは低所得者層やマイノリティの肥満率が有意に高い。栄養情報を有意義に使う知識があるのかも疑わしい。
アメリカでは健康保険が非常に高く、しかも健康保険に加入していない人が大量に存在するというのは有名な話だ。何故皆保険が必要かについては、いろいろな説明があるが、アメリカの健康保険制度のまずい点を象徴する記事があった:
Op-Ed Columnist – Dad’s Life or Yours? You Choose – NYTimes.com
Mr. Waddington has polycystic kidney disease, or PKD, a genetic disorder that leads to kidney failure. First he lost one kidney, and then the other.
ある一家の苦難が取り上げられている。58歳の父親は遺伝疾患である多発性嚢胞腎(PKD)を患っていて両方の腎機能を失っている。PKDには治療法が確立されておらず、腎機能を回復するためには腎臓移植が必要だ。
Doctors explained that the best match — the one least likely to be rejected — would perhaps come from Travis or Michael, his two sons, then ages 29 and 27.
もっとも拒否反応の虞が少ないのは二人の息子からの移植となる。しかし、ここで健康保険制度の問題がからんでくる。
Travis and Michael each had a 50 percent chance of inheriting PKD. And if pre-donation testing revealed that one of them had the disorder, that brother might never be able to get health insurance.
PKDは遺伝病であり息子はそれぞれ50%の確率でPKDを継承しており、腎臓移植のために検査を行うとPKDの有無が判明してしまう。そしてPKDを発症すると明らかになれば、二度と健康保険に加入することは不可能になる。
As a result, their doctors had advised not getting tested.
そのため医者ですら息子からの移植に反対し、
of course Mom immediately shot it down, with Dad firmly behind her.
両親もまた子供からの申し入れを拒否したとのこと。これは現状の制度を前提とすれば合理的な判断となる。アメリカの医療費はそもそも極めて高額であり、しかもアメリカの健康保険の大半は雇用主により提供される(これも先進国唯一である)。記事中で紹介されている調査によれば、健康保険のない勤労年齢のアメリカ人の死亡率は保険のある人にくらべ40%も高い。
David Waddington finally got that transplant when a kidney from a deceased donor became available.
父親は最終的に亡くなった人から移植を受けられたそうだが、健康保険の問題はまだ続いている。
Though PKD has no cure as such, there are experimental medications that may delay kidney problems. To get access to the medications, a patient must be tested — and since Travis and Michael Waddington don’t dare get tested, they don’t have access to these medications.
[…] recently Michael began suffering pains and went to the emergency room. After examining him and ordering tests, the doctor asked him, “Have you ever heard of PKD?”
PKDの発症を遅らせる実験薬があるにも関わらず、投薬を受けるためには検査が必要なためにそれを避けていた息子の一人がPKDを発症したとのこと。
More Students Turning Illegally To ‘Smart’ Drugs : NPR via Freakonomics
アメリカの大学で試験前にアンフェタミン(アデラル)やメチルフェニデート(リタリン)が使用されることが問題になっているそうだ。
Students say Adderall and its cousin Ritalin are easy to get — bought and sold in the library, the cafeteria, the dorm, pretty much anywhere on campus. The going rate, they say, is typically $5 a pill. Unless it’s exam week. Then, supply and demand kicks in and the price can shoot up to $25 a pill.
They say the main source for the drugs are students who have prescriptions to treat their attention-deficit disorder.
もとはADHDやナルコレプシーの学生に処方されたものが一般の学生の間で売り買いされている。これはアメリカにおけるADHDの認識の高さと学生間での各種薬物流通の(ひどい)現状による。試験前になると明らかに価格が上昇するというのは学生の計画性のなさを表しているのだろうか。
倫理以前に中毒症状の問題がある。
Although Adderall and Ritalin might sound like wonder drugs that can help students study for hours, the drugs are amphetamine-based.
共にアンフェタミン系の覚醒剤の一種であり、中毒症状がある。
共に処方箋なしでの服用は違法なので対策は他の処方薬同様で構わないだろう。発見した場合には法律で対処すると同時に組織的な市場取引を困難にすればよい。大学構内での見回り、インターネット上のサイトの摘発などで十分だ。そもそも処方薬を本人が服用したかを本当に確認する方法はないのである程度の流通は防ぎようがない。
Farah describes a college survey in which as many as 25 percent of students on some college campuses have used these study drugs in the past year.
大学生の1/4がこの一年でこれらの薬を摂取したとされている。こうなると最大の問題はアメリカにおいて薬物流通経路が大学や高校において確立してしまっている点だろう。多くの学生は薬物について大っぴらにしゃべっているし、誰かがそれを取り締まるという危機感は全くない(だから調査をすると使ったことがあると答えるわけだ)。