涙を例にどのような場合にシグナリングが信用できるか、そして進化論的に安定しているかが説明されている記事:
By blurring vision, they handicap aggressive or defensive actions, and may function as reliable signals of appeasement, need or attachment.
涙は視界をボヤケされることで攻撃や防御を取りにくくするので信頼できるシグナルだという意見に対して次のように反論している。
For example if tears convince another that you are defenseless then there is an evolutionary incentive to manipulate the signal.
もし涙がそのような理由で信頼されるのであれば、進化によってそのようなシグナルを悪用するようになるはずだという。涙を流すが視界はぼやけないようになるということだ。そうならなければ涙に騙されることで生存上不利になる。
A typical exception is when the signal is primarily directed toward a family member.
但し、シグナルを送る相手が家族に限られるのであれば進化論的に安定した=誰も悪用しないシグナルになる可能性がある。何故なら家族は遺伝子の多くを共有しているからだ。
And babies of course have few other ways of communicating needs.
特に他のコミュニケーション手段を持たない赤ん坊にとっては重要な仕組みでありうる。
Not surprisingly, once the child reaches adulthood, crying mostly stops: Nature takes away a still-costly but now-useless signal.
実際、成長するにつれて子供は泣かなくなる。子供はいつまでも保護対象だと思われるインセンティブがあるため、涙というシグナルを利用するようになるが、親もその構造に気付くためシグナルとしては効果がなくなる。効果がないシグナルを維持する理由もないので泣かなくなるのも当然だろう。