サンフランシスコ

サンフランシスコの特徴をまとめた面白い記事:

Alex Payne — So You’re Moving to San Francisco via  Midas Oracle

全体的に批判的な記事だが、とても納得の行く感じ。ちなみにバークレーはここで述べられている長所短所を(どっちかというと悪い)意味でも極端にしたような町かな。

結論が最初にある:

If you’re moving from, say, a New York or a Chicago or a London, you may end up loving San Francisco for its climate, its diversity, its food, or above all, its unique mindset. That mindset – decidedly Left Coast, laid back but not lazy, accepting of oddities and oddballs, always appreciating diamonds in the rough – resonates perfectly with some special people who are destined to be lifelong San Franciscans.

他の大都市と比べてどうか?気候・多様性・食事・そしてマインドセットが挙げられている。これは東京から来たとしても変わらない。

A uniform of jeans, a t-shirt, and a hoodie or light jacket will basically get you through the entire thirty degree range of temperatures that occur in the city’s various microclimates.

年間を通じて気温変動が小さく、晴れている時期が非常に長い。多様性がいいことかはさておき、ごちゃごちゃしているのも間違いない。外食の平均的質は東京の遥にほうがいいだろうが、外国人が自分の国の料理を出している店は東京にはあまりない。

マインドセットの違いは何か。説明するのが難しいが、何でもあり感といったらいいか。好きな人は好きで嫌いな人は嫌いという街だ。こればっかりは行ってみるほかないが、日本とは全然違う。

短所はあまりにも長くなるので引用しないが、物価・地価・公共交通・渋滞・パーキング・治安・汚さが挙げられている。全て都市計画のまずさ(とそもそもの立地条件)が根底にある。公共交通機関をもっと充実させ、容積率の向上、リノベーションや用地買収の簡易化などは確実に必要だろう。

こちら在住の方、訪問予定の方は元記事を是非。

おまけ:http://www.travelandleisure.com/afc/2009/city/san-francisco/

モラトリアム法案

昨日、日本ではモラトリアム法案というトンでも法案があると聞いたので検索してみた。

モラトリアム法案了承 住宅ローンは対象外? – MSN産経ニュース

問題が多すぎて何から手をつければいいか分からない。とりあえず予想されるのは:

  • 施行前に高リスクの貸出先から貸しはがしが起きる。
  • リスクの高い融資が全く行われなくなる。

これに対して貸出の強制ないし政府保証が行われれば:

  • 極めてリスクの高い事業と破綻

というところだろうか。前者では金利=資本価格が規制されるため家賃統制などと同様に供給不足になる。後者では失敗した場合のリスクを他人が被るため、銀行・政府の資産を用いて博打が打てる。最近の日本の経済政策は本当にどうしようもないものばかりだが、これはその中でも群を抜いている。こんなこと学部のミクロ経済学で十分に分かるはずだ。もちろん

過度の救済措置は「企業のモラルハザード(倫理観の欠如)を招く」との指摘もある。

全国紙が堂々とモラルハザードに倫理観の欠如という注を入れているのを見れば何の不思議もないとは言える。

車社会

アメリカの車社会度合いよく示しているマップがあった:

Driving Alone: D.C. Is Greenest – Economix Blog – NYTimes.com

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色の濃い州ほど、単独で自動車通勤をしている人の割合が高いことを示している。都市部では公共交通機関の発達やカープーリングの導入などにより色が薄くなっている。しかし、むしろ興味深いのは絶対的な水準だ。

The District of Columbia and New York — whose residents are heavily dependent on public transportation — had the lowest rates of solo commuters, at 37.2 percent and 53.7 percent.

ワシントンDCとニューヨークがもっとも公共交通機関に依存した州とされているが、それでも一人で自動車通勤する人の割合は37.2%と53.7%だ。日本での正確な数字は分からないが検索したら見つかった古い内閣府の調査によると人口30万人以上の都市部では20%というところだ。

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NYCのカロリー表示法律

NYCで外食チェーンでのカロリー表示を義務付ける法律が施行された。

Calorie Postings Don’t Change Habits, Study Finds – NYTimes.com

しかし、予定通りとはいかないようだ。

About 28 percent of those who noticed them said the information had influenced their ordering, and 9 out of 10 of those said they had made healthier choices as a result.

28%の消費者はカロリー情報が注文に影響を与えたと答え、10人に9人はより健康的なメニューを頼んだと言っている。

But when the researchers checked receipts afterward, they found that people had, in fact, ordered slightly more calories than the typical customer had before the labeling law went into effect, in July 2008.

[…]

For customers in New York City, orders had a mean of 846 calories after the labeling law took effect. Before the law took effect, it was 825 calories. In Newark, customers ordered about 825 calories before and after.

しかし実際にレシートを集めてみるとなんと摂取カロリーが増えているということだ。もちろんカロリーが増えたこと自体は法案の効果がないことを意味しない。マクドナルドでの買い物内容には差がでなかったとしてもそこでの摂取カロリーを認識することで他の食事の内容が健康になる可能性はある。また長期的な影響はプラスかもしれない。

When asked if he had checked the calories, he said: “It’s just cheap, so I buy it. I’m looking for the cheapest meal I can.”

だが本当の問題は貧困にあるようだ。ファーストフードチェーンを訪れる客の多くは単に価格で食事を選んでいる。アメリカでは低所得者層やマイノリティの肥満率が有意に高い。栄養情報を有意義に使う知識があるのかも疑わしい。

オックスフォードの面接問題

オックスフォード大学の選考過程で聞かれる質問の例がTimesに掲載されている。こういう選考を行っているのなら日本とは全く違う大学生が生まれるのはよく分かる。ただ日本では二つの文化から現実性は薄そうだ。一つは、筆記試験という明確な基準を好む強い傾向。もう一つは大学入試に対する考え方の違いだ。ここであげられている質問は本当に頭のよい学生を選ぶことを目標としているが、日本の大学入試は選ぶことが主な目的というよりも、勉強をすればいい大学にいけるというシステムを作ることで勉強を促すメカニズムになっている。

Oxford University interview questions: the examples – Times Online

Subject: Geography

Q: If I were to visit the area where you live, what would I be interested in?

地理:もし私があなたの住んでいる場所を訪れるとしたら、どんなことに興味を持つと思いますか?

今住んでいるバークレーであれば、容積率規制とゾーニングが与える景観への影響や、以前紹介した街並みに現れる保守性と政治思想との間の不整合について論じたい。

Subject: Modern languages

Q: What is language?

現代語:言語とはなんですか。

言葉が通じることと人間か否かの判定、どうして言語が倫理の範囲を確定するか、全く異なる言語体系を持つ民族ないし異星人を想定することの意味などが面白いかな。月並みでよければゲームの均衡としての言語を論じればよさそう。

Subject: English

Q: Why might it be useful for an English student to read the Twilight series?

英語:英文学の学生がTwilightシリーズ(吸血鬼が題材の小説)を読むことの意義は何ですか。

読んでいないので分からない…。

Subject: Medicine

Q: Why does your heart rate increase when you exercise?

医学:運動時に脈拍が上がるのは何故ですか。

三レベルの説明が可能か。酸素の供給が必要なこと、そのことを伝達するインフラが存在すること、そのようなシステムを持つ生物が進化論的に生き延びること。

Subject: Biological sciences

Q: If you could save either the rainforests or the coral reefs, which would you choose?

生物学:熱帯雨林か珊瑚礁を救えるとしたらどちらを選びますか。

生物学なので熱帯雨林・珊瑚礁が環境に与える影響を論じるべきだろうが、個人的には費用便益分析を持ち出したい。

Subject: Law

Q: What does it mean for someone to ‘take’ another’s car?

法学:誰かが他の人の車をtakeするとはどういう意味ですか。

まずいろいろな意味がありうることを述べる。そしてそれぞれの用法において社会への影響が異なり、法律的に別の行動として扱われていること、それが言葉の選択にも現れていることなどを述べたい。

Subject: Engineering

Q: How would you design a gravity dam for holding back water?

工学:水を保持する重力ダムを作るとしたらあなたはどう設計しますか。

適当な角度の斜面にダムを作ることを想定し、形状により構造物への負荷がどう変わるかを計算してみるかな。

元記事には面接官のコメントも掲載されている。