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環境の費用便益分析

環境に関する政策の費用便益分析についての記事:

The economics of ecosystems / The Christian Science Monitor

国連環境計画(UNEP)のThe Economics of Ecosystems and Biodiversity reportを紹介している。

As such, it belongs to a broader, ongoing effort to correct what ecological economists say is a failure in most cost-benefit analyses to adequately account for the very real value of living systems.

レポートの目的は費用便益分析において生態系の本当の価値をきちんと考慮するようにすることだという。あくまで正確な計算するべきだということであって、計算しなくていいという話ではないことには注意が必要だ。

The trick is ensuring that the analysis is sufficiently rigorous — that it accounts for all services provided by a forest, both as paper and as living trees, and that it includes both short- and long-term outcomes.

要点は、分析を十分に厳密にすることだ。森林であれば、それがもたらすあらゆる便益(と費用)をきちんとカウントする。

[…] some environmental problems can, in fact, be illuminated by a sufficiently nuanced cost-benefit analysis, while others — such as environmental justice issues — clearly can’t.

費用便益分析へのお決まりの批判も取り上げられている。金銭で表せない価値もあるというものだ。しかし、生命価値は統計的なそれであれば推定できるし、どうしても金銭価値で表せない(したくないなら)数値化するだけで残しておくこともできる。一人助けるのにいくらかかるを計算するだけでも意味がある。

まあ大した記事ではないのだけど、The Christian Science Monitorは教会が発行しているが布教を目的とはせず、昔からネットの活用が早いことで有名であるなど面白い新聞だ。現在は日曜版しか紙媒体で発行しておらず基本的にオンライン新聞となっている。

Facebookで地図を色分け

Facebookのデータを使って、アメリカを七つに分けてみたというエントリー:

PeteSearch: How to split up the US

My latest visualization shows the information by location, with connections drawn between places that share friends.

点はユーザーが存在する都市で、線はfriend関係を指しているようだ。州レベルや国レベルのバージョンも用意されている。friendが出来るのはその場所に学校・仕事などで住んだことがある場合がほとんどなので、人々がどう地域間を移動しているかを間接的に表している。さらに、クラスター毎にどのような人やグループが人気なのかも分かる。

ニューヨークからミネソタにかけてはあまり移動がないようでStayathomiaと名付けている。この地域はGodの人気がなくビールやスポーツが人気だそうだ。

Dixieはアトランタを中心とした地域で同じく閉鎖的。南にフロリダだけは別枠で東海岸の都市と強いコネクションがある。これはフロリダに移住する人が多いからだろう(Facebookには中年以上のユーザーも多いし、子供もいれば反映される)。この地域はGodがファンページのトップにくる宗教色の強い地域だ。

Greater Texasは名前通りTexasのDallasを中心としたクラスター。どの都市もDallasと強いコネクションがある。やはりGodが人気。ルイジアナのAlexandriaではAhmed、Mohamedが二番目、三番目に多かったり、テキサスのLaredoではJuan, Jose, Calros, Louisが最も多かったり、地域色が出ていて面白い。

Mormoniaはモルモンとの関連があると思われる地域で、外部とのコネクションが少ない。

Nomadic Westは中西部のだだっ広い地域で、コネクションが遠距離に渡っているのが特徴。外に出て行くほかないということだろうか。Starbucksが人気(?)だそうだ。

Socalistanはカリフォルニアをカバーする。公立大学のシステムからいって州内での(特に若い世代)の移動は盛んなので人口の多いカリフォルニアがクラスターになるのは理解出来る。Socalというのは南カリフォルニアのことでLAが中心であることを示している。ちなみにサンフランシスコではオバマが最も人気のある人物だそうだ。

最後はPacificaでこれはシアトル近辺のクラスターだが、特筆すべき情報は公開されていない。

この分割は数学的アルゴリズムで得られたものではなく、目視で色分けした程度のもののようだが、コメント欄などから察するにアメリカ人の感覚には近いようだ(逆にその感覚によって色分けが影響されている面があるのだろう)。

ドーキンス@バークレー

リチャード・ドーキンスがバークレーで講演をするそうだ。ドーキンスはバークレーの先生だったこともあるし、うちの大学の性格上講演自体は何の不思議もないけど、講演する場所が面白い。

Brown Paper Tickets – The first and only fair-trade ticketing company! via InBerkeley

今回ドーキンスが講演するのは、なんとキャンパスの向かいにあるFirst Congregational Church of Berkeley, United Church of Christだ。私もベストセラーとなったThe God Delusion(邦題:神は妄想である)を読んだが、彼は近年無神論として痛烈な宗教批判を行っている。その彼が教会で講演するというのは凄い話だ。教会のページを見ると、

  • We are people who may have been brought up in other faith traditions or none at all.
  • We are people of different ages and styles of life.
  • We are people of different races, including multi-racial families.
  • Our families are different shapes and sizes and include singles, significant others, and those who have lost partners or spouses.
  • Some of us have children, some of us don’t, some of us are children.
  • We respect other faith traditions, and some of our families are interfaith.
  • We are all over the map politically (but we are located in Berkeley!).
  • We are free to wrestle theologically.
  • We take care of each other.
  • We like to think and exchange ideas and opinions.
  • We value creativity and use the arts in many ways in the life of the church.

とあり、なかなか面白そうな標語が並んでいる。

出会い系最適メッセージ

オンラインデーティングサイト(出会い系?)のOkCupidのブログより:

Online Dating Advice: Exactly What To Say In A First Message « OkTrends

We analyzed over 500,000 first contacts on our dating site, OkCupid. Our program looked at keywords and phrases, how they affected reply rates, and what trends were statistically significant.

サイト上でやりとりされたメッセージの簡単な分析を行っている。母集団は、送り手と受け手が最初にやりとりしたメッセージだ。独立変数は返事があったかどうかで、従属変数はメッセージ内での特定の単語の有無だ。

記事中で挙げられている、返信率を挙げるコツは以下の通りだ:

  1. きちんとした英語を書く
  2. 身体的な賛辞を避ける
  3. 変わった挨拶をする
  4. サイト外で交流しようとしない
  5. はっきり明確にする(e.g. 文学に興味があるではなく、メタルが好きだとか)
  6. (男性であれば)謙虚にする
  7. 宗教から離れる

1は当たり前か。2は言葉で伝えるとあからさますぎるのでうまくいかないのだろう。3は現実でも同じ。4は最初のメッセージとしては怪しすぎる。5は興味の内容というよりも、相手のプロフィールなどを読んでいるかどうかか。6は解釈が難しい。オンラインだと誰もが堂々としているので謙虚にすることが(現実とは異なり)プラスになる可能性や謙虚であることは(現実同様)とりあえず反応する程度の理由にはなる(がどこにもたどり着かない)可能性が考えられる。7はオンラインでの布教が現実よりも簡単なのでより悩ましいかデーティングサイト利用者に宗教的でないひとが有意に多いかだろう。前に触れたアメリカ一般の無神論者に対する反応とは乖離している。

god-chart調査方法による可能性もある。(口頭ないし書面で)聞かれれば宗教は大事だというが、いざ異性を選ぶ際にはまったく気にしていないというパターンだ。

もちろんこの調査は欠点だらけだ。例えば、

  • デーティングサイト利用者が社会全体を代表していない
  • デーティングサイト自体、賢い探出会い方とは言えない
  • 最初のメッセージに返事をもらうことは直接の目標ではない
  • 他の要素が返信率と各メッセージに相関しているだけで因果関係がない

などいくらでも考えつく。最後の欠点だけ説明すると、例えばきちんとした英語を書かない人が望ましくない集団に多いだけで変な英語それ自体は問題ではないかもしれないということだ。これは変わった挨拶が望ましいとされているところを見るととてもありえそうだ。プロフィールが非常にまともなのにアホっぽい英語を混じるのは変わった人間というシグナルを送るのでプラスの効果が期待できるだろう。

無神論者の不人気ぶり

アメリカでの無神論者の不人気ぶりを示す記事:

Research Finds that Atheists are Most Hated and Distrusted Minority | NEWS JUNKIE POST

There are many groups in America that are subject to discrimination and prejudice, but none are more hated than atheists.

無神論者が現在アメリカでもっとも嫌われているグループとのこと。根拠として論文が挙げらていたのでその中にあったデータからグラフを作ってみた(ソースはAmerican Mosaic Project Survey, 2003):

ついでに人口五千万人以上の国の無神論者(不可知論者含む)の割合もグラフにしてみた。但し元データが無神論者の割合が五十位以内の国のランクなのでインドなどは含まない。また不正確とされている中国も除く。

グラフ作成にはSwivelを使ってみたがどうだろう。埋め込んだ時に読みにくいのが気になる。