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スポーツ観戦と政治

政治的な傾向に関する記事の連投になるが今回はスポーツファン:

Sports Viewers Largely Republican – Hotline On Call

母集団が若干不明確だが、レーティングエージェンシーが広告の効果を測るために行った20万人近くに及ぶインタビューの結果だ。横軸が民主・共和の支持度合いで縦軸が投票する可能性だ。個々の円はスポーツ毎の規模を表しており、濃い赤が共和党よりで投票可能性が高く、濃い青は民主党よりで投票可能性が高い。薄い色は投票可能性が低いグループだ。次のようなことが見て取れる:

  • スポーツファンは基本的に共和党よりである(母集団の取り方で程度は変わるだろうが)
  • ゴルフ・ナスカー・フットボールなどはかなり共和党より
  • バスケットボール・テニス・プロレスなどが民主党より
  • ゴルフファンは投票に一番積極的で逆にプロレスファンは投票に行かない可能性が高い

この結果に基づけば、共和党はスポーツ関連メディアに投資をすべきで特にPGAが効果的であるとか、民主党が投資するならバスケットやテニスがいいことが分かる(プロレスファンは民主党贔屓だがそもそも投票に行かない)。それどころか民主党はスポーツ以外のメディアを狙った方がいいかもしれない。

インフォグラフィック

最近目にすることの増えたインフォグラッフィクの問題点を具体的に指摘している次のポスト:

The gulf remains wide – Junk Charts

インフォグラッフィク(infographics)というのはWikipediaによると次のように定義されている。

インフォグラフィック(英: Inforgraphics)は、情報、データ、知識を視覚的に表現したものである。インフォグラフィックは情報を素早く簡単に表現したい場面で用いられ、標識、地図、報道、技術文書、教育などの形で使われている。また、計算機科学や数学、統計学においても、概念的情報を分かりやすく表現するツールとしてよく用いられる。科学的情報の可視化にも広く適用される。

要するにデータをヴィジュアル化した、統計で出来ているグラフの派手なバージョンのようなものだ。題材となっているのはMashableの記事(”5 Amazing Infographics for the Health Conscious”)で取り上げられているインフォグラッフィクだ。


サプリメントの効果が上から下に並べられている。上の方は効果が臨床的に確認されているもので、下にいけばいくほど健康な大人が経口摂取した場合の健康増進効果が未確認となっている。よく見かけるGojiやacaiは微妙なのかなど、内容自体は結構面白いが、ヴィジュアライゼーションとしては問題もある。

If the location and cluster membership of the substances depicted have some meaning, I might even feel ok about the effervescence. But I don’t think so.

それはサプリメント同士の位置関係に特に意味が見出せないことだ(ちなみにeffervescenceというのは気泡のことだ)。

こちらは水道水に含まれるバクテリアの数なんかを表したインフォグラフィックだ。問題とされているのは右側にある、各水道がカバーする人口のグラフだ。

The fact that the four buildings are not considered one complete unit also trips me up. The Truckee Meadows is depicted as 7 buildings, not divisible by 4. In addition, if 2 short buildings + 1 tall + 1 medium = 200,000 people, how many people live in 2 tall + 1 medium + 4 short buildings?

右下にはグラフの単位(?)がつけられている。
しかし、建物の高さが均一でないためグラフの読み方が分からない。棒グラフの長さが人間を表しているのか、面積なのかはっきりしない。さらに±サインを約という意味で使われているのも分かりにくい。日本なら≒だしアメリカなら~を使うのが標準的だろう。

They belong to the class of “pretty things” that are touted all over the Web but from a statistical graphics perspective, they are dull.

インフォグラフィックは見栄えこそいいが統計学的に見ると怪しいことは気に留めておく必要がある。

アンドロイド躍進

携帯マーケットについての最新レポート:

Google Android Continues to Transform Smart Phone Market

まず目立つのはAndroidが受け入れられ始めていること。次の90日間にスマートフォンを買う予定の人の三割がAndroidがいいと言っているそうだ。半年前は6%しかなかったことからすると凄い躍進だ。日本でもNTT DocomoからAndroid搭載機が発売されており今後が注目される。

逆にPalmの凋落は留まるところを知らない。iPhoneがPalmのシェアを食い続けている格好だ。

この差を生み出しているのはやはりシステムの使い心地・アプリケーションの豊富さなどプラットフォームの魅力だ。首位をキープするiPhoneと拡大しつつあるAndroidの顧客満足度は群を抜いている。携帯市場での競争はすでにプラットフォームの間のそれに移行した。そこに日本メーカーの影は全くない。

ハイブリッドの売上

日本・アメリカ・その他でのハイブリッド自動車の売上の推移があったのでご紹介。

The Polk Blog – What Drives Global Hybrid Sales? via InfectiousGreed

2009年のハイブリッドの割合は僅か1.28%とのことだが、日本とアメリカが圧倒的なシェア(合わせて84%)を誇っている。特に日本は2008-2009にかけて爆発的に売り上げが伸びた。これはグリーン税制による減税の影響だろう。ヨーロッパが少ないのはディーゼル車が普及しているためだ。

日本の英語力

日本人のTOEFLでの点数が低すぎるという話題があったので最新データを紹介。

TOEFL® Test and Score Data Summary for TOEFL Internet-based and Paper-based Tests: 2009 Test Data

現行のTOEFL iBTはReading, Listening, Speaking, Writingの各30点、合計120点となっている。以下はデータのあるアジアの国々について各セクションの平均点数を表示し、総合点でランク付けしたものだ。ラオスが60点で最下位、日本はタジキスタンと共に67点で二番目に低い。特にスピーキングの平均16点は単独世界最低となっている。

アフリカ・中東以外だと、日本よりも平均的の低い国はハイチとラオスしかない。ヨーロッパは流石に高く、オランダでは平均点が大学院出願などで必要となる最大点数である100を超えている。

注:各セクションの平均値の合計とはずれる総合点の平均値でソートしているので順序が前後している箇所がある。

追記:国によって受験者の母集団が異なるので、この数字を持って各国の英語力ないし英語教育を論じるのは難しいですが、一応こういうデータがあるという程度に理解頂ければ幸いです。コメント欄でご指摘頂いている通り、レポート中にも注意書きがあります。

”The differences in the number of students taking the test in each country,…, and the fact that those taking the test are not representative of all English speakers in each country or any defined population make ranking by test score meaningless”.