最近目にすることの増えたインフォグラッフィクの問題点を具体的に指摘している次のポスト:
The gulf remains wide – Junk Charts
インフォグラッフィク(infographics)というのはWikipediaによると次のように定義されている。
インフォグラフィック(英: Inforgraphics)は、情報、データ、知識を視覚的に表現したものである。インフォグラフィックは情報を素早く簡単に表現したい場面で用いられ、標識、地図、報道、技術文書、教育などの形で使われている。また、計算機科学や数学、統計学においても、概念的情報を分かりやすく表現するツールとしてよく用いられる。科学的情報の可視化にも広く適用される。
要するにデータをヴィジュアル化した、統計で出来ているグラフの派手なバージョンのようなものだ。題材となっているのはMashableの記事(”5 Amazing Infographics for the Health Conscious”)で取り上げられているインフォグラッフィクだ。
サプリメントの効果が上から下に並べられている。上の方は効果が臨床的に確認されているもので、下にいけばいくほど健康な大人が経口摂取した場合の健康増進効果が未確認となっている。よく見かけるGojiやacaiは微妙なのかなど、内容自体は結構面白いが、ヴィジュアライゼーションとしては問題もある。
If the location and cluster membership of the substances depicted have some meaning, I might even feel ok about the effervescence. But I don’t think so.
それはサプリメント同士の位置関係に特に意味が見出せないことだ(ちなみにeffervescenceというのは気泡のことだ)。
こちらは水道水に含まれるバクテリアの数なんかを表したインフォグラフィックだ。問題とされているのは右側にある、各水道がカバーする人口のグラフだ。
The fact that the four buildings are not considered one complete unit also trips me up. The Truckee Meadows is depicted as 7 buildings, not divisible by 4. In addition, if 2 short buildings + 1 tall + 1 medium = 200,000 people, how many people live in 2 tall + 1 medium + 4 short buildings?
右下にはグラフの単位(?)がつけられている。
しかし、建物の高さが均一でないためグラフの読み方が分からない。棒グラフの長さが人間を表しているのか、面積なのかはっきりしない。さらに±サインを約という意味で使われているのも分かりにくい。日本なら≒だしアメリカなら~を使うのが標準的だろう。
They belong to the class of “pretty things” that are touted all over the Web but from a statistical graphics perspective, they are dull.
インフォグラフィックは見栄えこそいいが統計学的に見ると怪しいことは気に留めておく必要がある。