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面白い労働市場のトレンド(ht @eurodollari

LinkedIn Observes The Rise of Professional Ninjas!

ビジネス向けのSNSであるLinkedInが新しいタイトルの指数関数的な伸びをブログで指摘している。それはNinjaというタイトルだ。

Other ninjas come from the social media, computing and design sectors. Professionals in customer service, advertising and finance have their share of ninjas too

ソーシャルメディア・コンピューティング・デザインなどに多いタイトルだがカスタマーサービスや広告、ファイナンスにも見られるそうだ。クリエイティブなイメージを出したいプロフェッショナルに受けているのだろう。似たようなタイトルとしては本来は伝道者を意味するEvangelistや導師を意味するguruなんかがある。

但し、guruのほうが新鮮味が薄れているようで最近は人気が落ちている模様だ。次はどんなタイトルが流行るのだろうか。

大規模なSNSは今まで存在しなかったデータをコントロールしており、その一部をこのようにブログなどで発表している。特にデーティングサイトであるOkCupidのブログはよく注目を集まている(出会い系最適メッセージ)。各社はこの膨大なデータを活用するために専門家を雇っており、統計屋さんの需要はさらに上がっていくだろう。

Tweetie買収

TwitterがクライアントソフトウェアTweetieの開発元であるAtebitsを買収したというニュース

Twitter Acquires Atebits, Maker of Tweetie – Bits Blog – NYTimes.com

This marks a new strategy, as Twitter makes its first foray into providing a mobile and desktop client itself. On Friday, Twitter also announced that it helped Research in Motion build an “official” Twitter app for BlackBerrys.

TwitterはBlackBerry用のオフィシャルクライアントをBlackBerryと共に提供すると発表している。

In the past, Twitter has focused on its Web site, twitter.com, and left the development of Twitter mobile clients up to start-ups like Tweetie, Twitterrific and UberTwitter.

これはオフィシャルサイト上の開発に集中し、モバイルクライアントの開発はサードパーティーに任せる方針から転換と捉えられている。

developers have been getting nervous that Twitter plans to build or buy more apps for itself, which could put them out of business.

しかし、これはTwitterというプラットフォーム上でアプリケーションを開発している企業にとっては脅威と映る。オフィシャルなクライアントはサードパーティーのクライアントに対して有形無形のアドバンテージがあるので当然ではある。これはAppleがMac用の基本的なアプリケーションを自社で提供し始めたときのサードパーティーの反応と同じだ。買収された企業はいいが、それ以外の企業にとっては突如競合相手の一つがプラットフォーム本体に変身したようなものだ。

Fred Wilson […] stoked those fears in a blog post in which he wrote that many third-party Twitter services, including mobile clients like Tweetie’s, are features that Twitter should offer itself. Instead, he recommended that developers focus on other kinds of services, like business tools, analytics or gaming.

このような問題はどんなプラットフォームにおいても微妙なバランスを要するもので、関係者はTweetieのようなソフトウェアは本来Twitter自身が提供すべきもであって、サードパーティーはビジネスツール・解析ソフト・ゲームなどに専念すべきだといっている。これはTwitterが自社で提供するソフトウェアを自ら制限することで、サードパーティーの開発に悪影響を与えないようにしようとする発言だ。

Twitter, which raised $100 million in September, has the cash to go on a shopping spree. It cannot hire engineers quickly enough to support the explosive growth of the company, so buying other features is a way to grow quickly.

では何故、自社開発でなく買収を行うのか。これはTwitterの成長に追いつくほどエンジニアを採用するのが難しいためで、新しい機能を買い開発者も抱え込むのは理にかなっている。既に検索サービスや位置情報サービス企業も買収済みだ。

Twitter will offer it for free and rename it Twitter for iPhone.

TweetieはこれからTwitter for iPhoneとして無償提供される予定だ。

アフリカ経済

JETROのレポートがなかなかいい:

サブサハラ・アフリカ主要国の消費市場(2010年3月) – アフリカ – ジェトロ

何かと絶望説ばかり囁かれるアフリカだが近年いい動きがあるようだ。

絶対水準だけでなく、成長率でも世界平均を下回ってきたアフリカだが、2000年以降世界平均を上回る成長を続けているのが分かる。

家計最終消費は2000年代に入り爆発的に伸びている。

また、消費者1人当たりの購買力も、2000年以降、加速的に成長している。アフリカの1人当たりの購買力平価(PPP)ベースのGDPは、1990年に1,132ドル、2000年に1,326ドルと順調に増加しており、IMF推計によると2010年には2,167ドルになると見込まれる。

購買力平価で見ても目覚ましい所得の伸びだ。

特に輸入が拡大しているが、残念なことに日本のシェアは低下傾向にあり、逆にシェアを毎年伸ばしているのは中国だ。

さらに、従来消費者とは見なされてこなかった層にも、企業は注目し始めている。アフリカ人口の大半を占める低所得層だ。従来、低所得層は、消費活動を行えるような所得を持ち合わせていないとされてきた。しかしながら、手が届く価格帯でニーズに合う商品であれば、低所得層であっても積極的に消費活動を行うことに、企業が気づき始めたのである。

特に最近注目されているのは低所得者層だ。高い人口増加を背景にアフリカの世界人口に占めるシェアは年々上がっており、市場として注目が集まっているようだ。

きちんと数字を使ってアフリカの経済の話をしているのは珍しいので興味のある方は本文を御覧下さい。

追記:こんな番組があるそうです(ht @dr_norick)「NHKスペシャル|アフリカンドリーム 第1回 “悲劇の国”が奇跡を起こす

スポーツ観戦と政治

政治的な傾向に関する記事の連投になるが今回はスポーツファン:

Sports Viewers Largely Republican – Hotline On Call

母集団が若干不明確だが、レーティングエージェンシーが広告の効果を測るために行った20万人近くに及ぶインタビューの結果だ。横軸が民主・共和の支持度合いで縦軸が投票する可能性だ。個々の円はスポーツ毎の規模を表しており、濃い赤が共和党よりで投票可能性が高く、濃い青は民主党よりで投票可能性が高い。薄い色は投票可能性が低いグループだ。次のようなことが見て取れる:

  • スポーツファンは基本的に共和党よりである(母集団の取り方で程度は変わるだろうが)
  • ゴルフ・ナスカー・フットボールなどはかなり共和党より
  • バスケットボール・テニス・プロレスなどが民主党より
  • ゴルフファンは投票に一番積極的で逆にプロレスファンは投票に行かない可能性が高い

この結果に基づけば、共和党はスポーツ関連メディアに投資をすべきで特にPGAが効果的であるとか、民主党が投資するならバスケットやテニスがいいことが分かる(プロレスファンは民主党贔屓だがそもそも投票に行かない)。それどころか民主党はスポーツ以外のメディアを狙った方がいいかもしれない。

大学教授の政治傾向

大学教授が一般に左寄りであることは有名で、しばしば保守派から批判されるが、その傾向がどこから出てきたのかというストーリー。

News: When Professors Get Their Politics – Inside Higher Ed

Some blame bias, arguing that conservative scholars are denied positions.

保守的な研究者が職を得られないとか、

Others see self-selection at work, with academe attracting more liberal individuals, while conservatives are more likely to opt for other careers.

リベラルな人のほうが研究職を好み、保守的な人は違うキャリアを選ぶとか、

Still others see some sort of socialization going on in graduate programs or early faculty careers, such that the young academic emerges on the left. And there are numerous other theories.

大学で若い研究者が左寄りになるなど沢山の説がある。

For example, professors are more likely than others to have high levels of educational attainment, to experience a disparity between their levels of educational attainment and income […]

また、大学教授は教育水準と所得水準の間のギャップが大きいというのもある。これは所得再配分のような政策を支持する原因になるうる。

In all, they found that 71 percent of the interviewees (and 81 percent of liberals) formed their political views early in life — in childhood, adolescence or early adulthood (by 25).

しかし最近の調査によれば大学教授の多くは若いうちに政治的な傾向が決まったと答えている。これは研究職につくまでの環境や、教育と所得のギャップによって左傾化するという説とは矛盾する。それらの説が正しければ大学(院)に行く辺りから政治的立場が変わるはずだからだ。

relative to the U.S. population, liberals are vastly overrepresented in the ranks not just of social scientists and humanists, but of physical and biological scientists as well

さらに大学教授がリベラル寄りであることは採用基準が政治的に影響されるとは考えにくい自然科学の分野にも及んでおり、保守的であるがゆえに就職で不利という説も疑わしい。

“I think the clear implication of this line of thinking is that for folks really concerned about closing that [political] gaps, the effort should be on mentoring young conservatives, encouraging them to enter academia, and no longer demonizing academia,”

もし、大学教授にリベラルな人間が多いのがセルフセレクションによるものであるなら、保守派は(大学を批判するよりも)保守的な若者が研究キャリアを選ぶように支援するべきだと指摘されている。これは理工系に女性が少ないという問題と本質的に同じだろう。