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金融規制キャリア

April 27th, 2010

ちょっと変わったキャリアアドバイスがあった。金融市場の規制に関するキャリアについてだ。

Financial Regulation Career Advice | TRUTH ON THE MARKET

Knowing substantive law is an important part of a legal career, a necessary pre-req to get going.  But it’s by far the least important item in your toolkit.  Being excited about what you’re doing, also good.

仕事に関する知識ややる気はさほど重要ではないと言う。何故か。

There are, however, too many smart and passionate lawyers in the world.

それは賢くて熱心な人間なんていくらでもいるからだ。10代での学校・受験の影響か、頭の良さというを絶対視ないし過大評価する人というのはとても多い。しかし、そういう意味で頭の良いひとはそれほど珍しくなく、勉強ができることが人生で成功する最も重要ではないのは大学なんかで色んなひとを観察すれば明らかだろう(それどころかプラスに働くのかも疑わしい)。

Two things distinguish the more successful lawyers from the rest of the pack: networking and salesmanship.  If you don’t develop skills in these two areas, you’ll never really own your career and someone else will.

では何が重要か。それはネットワーキングとセールスマンシップだという。何のことはない。どこの業界でもキャリアで必要なことは変わらないようだ。

You’ll be surprised at the ways you can help people connect with each other, and both sides will owe you one.  You’ll also be surprised at how often people offer to share their connections with you for precisely the same reason.

ABAに行くとか、in-house counsel(法務部?)と知り合うといった業界特有のアドバイスもあるが、この一節にもあるようにどの業界にも当てはまるものもある。自分の知り合い同士をつなげる機会は豊富だし、そうやって新しいコネクションを作ることも多い。

Put your rolodex on your christmas list.  Spam them will mass emails that update them about developments in your area of the law, or with emails that let them know about your accomplishments

季節の変わり目には近況や業界のニュースをメールで配信するといいというアドバイスもある。

On salesmanship:  Realize that you are first and foremost a salesman. Your wares are legal services.

セールスマンシップについて専門家は忘れがちだ。専門家もまた特定のスキル・イクスパティーズをそれを持たない(ないし機会費用的に自分でやりたくない)人に売っている存在だ。専門家としての威厳を保つためにはあまりあからさまに売り込みをすべきではないし、仕事は勝手に入ってくるというイメージを保つべきだろう。しかし、それはあくまでマーケティング上の戦略たるべきであって、実際には売り込みをせず仕事が歩いてくるということはない。

Before you can sell anything to anyone, you need to do your homework and know what drives your target. Where they make most of their money, what risks they are afraid of, what problems they have on the horizon that they don’t even know about.  Then you need to let them know how your skills can solve their problem.

クライアントがどこで稼いでいて、何を恐れているか、どんな道の危険があるか、そしてどうやって自分のスキルが彼らの問題を解決できるかを考える。この業界に特有の話は何もない。

勤務先別アドバイスもあるので、該当者はおそらくいないでしょうが、実際にこの業界で働く気のある人は元記事を御覧下さい。

「実名・勤務先明記」へ

April 22nd, 2010

日本IBMのソーシャル・コンピューティングのガイドラインに関する記事から。

ブログ利用「実名・勤務先明記」を奨励 日本IBM

特に注目されているのは以下の部分だ。

「IBMでの業務に関連してブログ活動をする際には、実名を使い、身元を明らかにし、あなたがIBMに勤務していることを明示するように奨励します」
「一人称で語りましょう。自分自身の意見で、その個性を前面に打ち出し、思っていることを語りましょう」

実名・勤務先の公表を控える人が多い日本では異例の試みと言える(参考:アメリカは実名志向か)。しかし、このガイドラインは時代の流れに適ったものだ。

実名の利用を奨励することの利点は二つある。一つは、質の高い人材を惹きつけることだ。ネットは個人が自分の名前で活動する=レピュテーションを築くのを容易にした。狭いサークルの中で活動しているのであれば従来型の人脈作りで十分だろうが、多くの職業は自分とは全く違う分野の人間と繋がっている(他人が出来ないことを提供することで利益を上げる場合には当然そうだ)。ネットを活用してネットワーキングをしている人にとって、それが出来なくなるのは非常に都合が悪い

個人としてブランドを持っている社員は転職が簡単という意味で企業にとって都合が悪い面もあるが、そういうクリエイティブな人材を持たないで競争するのは難しくなっている。むしろ個人が個人として活動することを認めて、優秀な人材を揃える方が有利だと考えるのは自然だろう。

二つ目の利点は、その質の高い人材が持つブランドを逆に企業が利用することだ。個人がブランドを持たない時代には、企業がブランドとして存在し社員がそれを使って仕事をした。多くの戦略コンサルティング会社はそれに当たるだろう。個人としての技能に期待してるのではなく、会社の名前を元に仕事が発注される。会社はそのブランドを守るために社員を厳選し、社員にとってはその会社にいったことが履歴書上のメリットになる。

しかし、個人がブランドを持つようになればその関係は変わってくる。会社名ではなく個人に仕事が入る。そうなると会社と社員の力関係は逆に傾く。社員に個人としての活動を奨励することで優秀な人材を確保する一方で、その人材が持つブランドを企業が利用できる

「一人称で語る」というのはこの二番目の利点をうまく活かすための工夫だ。構成員が個人として発言し、会社のブランドを高める一方で、会社の意見とは切り離す。

この方法がうまくいくような業界ばかりではないだろうが、他の企業もソーシャルメディアの時代に合わせて社員の対外的な活動に対する認識を改めて行くことが必要だろう。

好きな事について書く

April 12th, 2010

参照先の主旨とは関係ないが、次の一節が印象に残った。

Productivity is about finding space | Penelope Trunk’s Brazen Careerist

(珍しく)全訳してみよう:

I remember when I taught creative writing to freshmen at Boston University. The first month almost every student wrote about sex. I went to my advisor and asked him why I am getting twenty stories about having sex.

ボストン大学で一年生に作文のクラスを教えた時のことを覚えている。最初の月はほとんど全員がセックスについて書いた。指導教官に、どうしてセックスについて20本も作文が提出されているのか聞いてみた。

He said, “Are all the stories terrible?”

教授は「その作文はひどい出来かい」と尋ねた。

I said, “Yes.”

「その通りです」と答えた。

He said, “That happens every semester. When you love something, you want to write about it. But you never know enough about it to write it in an interesting way until you know it closely enough to hate it as well.”

彼曰く、「これは毎学期の事だよ。何かをとても好きになるとそれについて書きたくなる。でも、それについて面白く書ける程にそのことをよく理解するようになったころには好きばっかりではいられなくなってるんだよ。」
非常に説得力がある。あることについて知れば知るほど、興奮は冷めて行くし、得られる追加的知識も減っていく。論評するためには長所短所も知らなければならない。あることを絶賛しているだけの人間の話なんて誰も聞きたくはないだろう。

これは「好きなことを仕事にするな」の話にも繋がる。お金を取れる程に何かに習熟したころには、それをやっているだけで幸せとはいかないことが多いのは自然なことだ。上の例に戻れば、セックスについて読ませる文章を書く人やセックスでお金を稼ぐ人がそれをどれだけ好きかということだ。

忍者になろう

April 10th, 2010

面白い労働市場のトレンド(ht @eurodollari

LinkedIn Observes The Rise of Professional Ninjas!

ビジネス向けのSNSであるLinkedInが新しいタイトルの指数関数的な伸びをブログで指摘している。それはNinjaというタイトルだ。

Other ninjas come from the social media, computing and design sectors. Professionals in customer service, advertising and finance have their share of ninjas too

ソーシャルメディア・コンピューティング・デザインなどに多いタイトルだがカスタマーサービスや広告、ファイナンスにも見られるそうだ。クリエイティブなイメージを出したいプロフェッショナルに受けているのだろう。似たようなタイトルとしては本来は伝道者を意味するEvangelistや導師を意味するguruなんかがある。

但し、guruのほうが新鮮味が薄れているようで最近は人気が落ちている模様だ。次はどんなタイトルが流行るのだろうか。

大規模なSNSは今まで存在しなかったデータをコントロールしており、その一部をこのようにブログなどで発表している。特にデーティングサイトであるOkCupidのブログはよく注目を集まている(出会い系最適メッセージ)。各社はこの膨大なデータを活用するために専門家を雇っており、統計屋さんの需要はさらに上がっていくだろう。

大学教授の政治傾向

April 7th, 2010

大学教授が一般に左寄りであることは有名で、しばしば保守派から批判されるが、その傾向がどこから出てきたのかというストーリー。

News: When Professors Get Their Politics – Inside Higher Ed

Some blame bias, arguing that conservative scholars are denied positions.

保守的な研究者が職を得られないとか、

Others see self-selection at work, with academe attracting more liberal individuals, while conservatives are more likely to opt for other careers.

リベラルな人のほうが研究職を好み、保守的な人は違うキャリアを選ぶとか、

Still others see some sort of socialization going on in graduate programs or early faculty careers, such that the young academic emerges on the left. And there are numerous other theories.

大学で若い研究者が左寄りになるなど沢山の説がある。

For example, professors are more likely than others to have high levels of educational attainment, to experience a disparity between their levels of educational attainment and income [...]

また、大学教授は教育水準と所得水準の間のギャップが大きいというのもある。これは所得再配分のような政策を支持する原因になるうる。

In all, they found that 71 percent of the interviewees (and 81 percent of liberals) formed their political views early in life — in childhood, adolescence or early adulthood (by 25).

しかし最近の調査によれば大学教授の多くは若いうちに政治的な傾向が決まったと答えている。これは研究職につくまでの環境や、教育と所得のギャップによって左傾化するという説とは矛盾する。それらの説が正しければ大学(院)に行く辺りから政治的立場が変わるはずだからだ。

relative to the U.S. population, liberals are vastly overrepresented in the ranks not just of social scientists and humanists, but of physical and biological scientists as well

さらに大学教授がリベラル寄りであることは採用基準が政治的に影響されるとは考えにくい自然科学の分野にも及んでおり、保守的であるがゆえに就職で不利という説も疑わしい。

“I think the clear implication of this line of thinking is that for folks really concerned about closing that [political] gaps, the effort should be on mentoring young conservatives, encouraging them to enter academia, and no longer demonizing academia,”

もし、大学教授にリベラルな人間が多いのがセルフセレクションによるものであるなら、保守派は(大学を批判するよりも)保守的な若者が研究キャリアを選ぶように支援するべきだと指摘されている。これは理工系に女性が少ないという問題と本質的に同じだろう。