大したニュースではございませんが、アメリカ在住者としては取り上げたい:
Britain bounces checks after 300 years – Yahoo! News
The board of the UK Payments Council, the body for setting payment strategy in Britain, agreed on Wednesday to set a target date of October 31, 2018 for winding up the check clearing system. The board is largely made up of Britain’s leading banks.
イギリスでついにチェックを廃止する目処がついたそうだ。チェックというのは小切手のことで、基本的には金額と宛名を書いてサインすると銀行でお金を動かせるものだ。日本では個人向けだとほぼ存在しないが、アメリカでは誰もが使っており、家賃なんかはほぼみんなこれを使う。銀行振込でいい?とかいうと頭のおかしなひとを見るような目で、普通にチェックにしろとか言われる。ネット振込が普通のところから来ると、慣れないサインを書きながら、どんだけ古いんだよ、とか愚痴りたくなること請け合いだ。
But while many UK supermarkets, high street retailers and petrol stations have stopped accepting checks, they are still a popular form of payment among elderly people, many of whom find the idea of using automated cash machines intimidating.
当たり前だがチェックの処理には費用がかかる。お店ならスキャンして銀行に送るだろうし、人間なら銀行まで足を運ぶ必要がある。ちなみにアメリカのATMの預け入れは備え付けの封筒にチェック・現金を入れて放り込むだけ(数えない)という衝撃のシステムだ。
ではなぜいまだにチェックが使われているのか。アメリカでは(イギリスでもそうだろうが)、クレジット・デビットカードの利用が非常に進んでいる。現金は基本的にもっていないのでどこにいってもカードで払う。財布に10ドルもなくびっくりすることもよくある(1ドルでもお札なので気づかないっていう話だが私だけだろうか)。
それにも関わらずチェックの廃止が進まないのは高齢者のため(=せい)だ。カードはお店で使うだけで、使いたくないひとは使わなくてよい。高齢者は現金と小切手の世界で生きている人が多いのだろう。
ではなぜそもそもチェックが使われているのか:
“Without checks, we are very concerned people will be forced to keep large amounts of cash in their home, leaving them vulnerable to theft and financial abuse.”
これは犯罪との関係だ。多額の現金を持ち歩いたり、家に置いておくのは危ないので昔からチェックを利用する。日本では現金を数万円持っているからといって危ないとは言われないが(使ってしまう危険の方が大きい!)、アメリカやヨーロッパでは違う。高額紙幣が使えなかったり、そんなもの持ち歩くなと説教されたりする(昔500ユーロ札に扱いに困った)。逆にこういった状況はカードの利用を促した。小売店はレジスターにキャッシュを保持したくないからだ。アメリカでも早く消えてなくなってほしいものだ。