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アメリカの地域別世帯収入

アメリカの地域別(county)の世帯収入の中間値があった:

Many Eyes: Income and Poverty, by County via Economix

BerkeleyのあるAlameda Countyでは$70,217となっている。Economixの記事によれば貧困が最も多いのがサウス・ダコタのZiebachで$25,592である。最も高そうなのはバージニアのLoudonで$111,582だ。もちろん地域内での格差のほうが大きいのでこれを一般化して何かを主張するのは難しいが、日本に比べると大きな差のように思える。

ちなみに平成18年度東京都福祉保健基礎調査によると東京都の世帯所得分布は以下の通りだ:

tokyo

500万円以下ので50.9%を占めているので中間値は500万円弱といったところだろう。

誰がオンラインニュースにお金を払うか

オンラインニュースにどれだけの人がお金を払うかについてThe New York Timesが報じている:

About Half in U.S. Would Pay for Online News, Study Finds – NYTimes.com

こういったサーベイにはサンプリング問題があるし、聞かれて払うと答えることと実際に払うことは違うという問題はあるがとりあえずそれは置いておいて中身を見てみよう:

Among regular Internet users in the United States, 48 percent said in the survey, conducted in October, that they would pay to read news online, including on mobile devices.

アメリカでは約半数がオンラインニュースのためにお金を支払う用意があると答えているそうだ。これにはモバイルデバイスを含むので通常ネットアクセスだけを意味しているわけではないことには注意が必要だ。

That result tied with Britain for the lowest figure among nine countries where Boston Consulting commissioned surveys.

この割合はイギリスと並んで最も低い。

When asked how much they would pay, Americans averaged just $3 a month, tied with Australia for the lowest figure — and less than half the $7 average for Italians.

さらに払う金額についても平均$3とオーストラリアと並んで最低だという。ここから、

“Consumer willingness and intent to pay is related to the availability of a rich amount of free content,” said John Rose, a senior partner and head of the group’s global media practice. “There is more, better, richer free in the United States than anywhere else.”

消費者の支払意志額は無料のコンテンツの量で決まり、アメリカでは無料コンテンツの量・質が最も優れているという。これはアメリカというよりも英語のコンテンツというのが正確だろう。イギリスとオーストラリアが同様に支払意志の低い国として上がっているのと整合的だ。

The question is of crucial interest to the American newspaper industry, which is weighing whether and how to put toll gates on its Web sites, to make up for plummeting print advertising.

これはペイウォールで収益を挙げようという新聞業界には大きな問題だ。それに対し、

The study, which drew from a survey of 5,000 people, concluded that charging for online access to news would not greatly increase a newspaper’s revenue, but since the cost of reaching Internet readers was very low, it could significantly increase profit.

一人当たり収益は小さくとも費用も小さいので利益が上がると結論付けている。

この結論には問題がある。それはニュースに関する著作権の問題だ。単純な事実には著作権がないため、単なるニュースをペイウォールの中にいれても意味がない。著作権が生じるような内容を付け加えても部分的な引用はフェアユースに守られている。書籍化すればネットで引用されないなんてことはないのと同じだ。

そして「ニュース」の部分さえあればそれについて第三者、例えばブロガー、がペイウォールの外でその「ニュース」について論じることができる。多くの読者が望んでいるのはそういったコンテンツだ。伝統的に新聞社はコラム・社説・解説記事をニュースと一緒に提供してきたが、オンラインではそれらをまとめなければならない物理的制約は存在しない。新聞社はそういったコンテンツにおいて、ニュース自体は提供しない外部の主体と競争しなければならない

新聞社は例えばコラムニストに対して給料を支払うことができるという点でブログに対してアドバンテージを持っている。しかし、ブログを書いている人間の多くはブログそれ自体から利益を得ているのではなく、間接的に本業から利益を得ていることが多い。このような状況では新聞社が給料を支払えることは絶対的な優位にならないし、もしペイウォールのようなもので読者が限定されてしまえばコラムニストにとっては望ましくない条件だ。

情報技術が発展する中、情報を集めて売るという新聞社のビジネスモデルは立ち行かない。情報の流通コストがゼロに近づいている以上情報の流通業者たる新聞業界で働く人間は減っていくこれは、非常に効率的な農業技術が農業従事者の数を激減させたのと同じことだ。

ただし、流通させる情報の生産自体のコストがゼロになったわけではないことには注意する必要がある。これについては先に情報化の進んだ音楽業界が参考になる。ニュースの解説をしたり、それについてコラムを書く人間は、解説やコラムを売ることで利益をあげるのではなく、書籍を売ったり、講演をしたりすることで生計を立てるだろう。ニュースの取材を行うひとも同様だろう。

もちろんこういった間接的な収益方法で社会的に望ましい量のコンテンツが生産されるとは限らない。それは無料で流通させるコンテンツが収益を発生させる仕事に対してどれだけの正の外部性をもつかで決まる。

アメリカで頭のよい都市はどこか

半分以上ネタだけどアメリカの都市をsmart(ないしbrainy)な順に並べたランキング:

America’s Smartest Cities—From First to Worst – The Daily Beast

First, some rules of the game. We only ranked metropolitan areas (the cities and their suburbs) of 1 million people or more, using Census data, with the definition of each greater metropolitan area defined by Nielsen. That gave us 55 in all.

センサスで人工が上位55位までのメトロポリタンエリアが比較対象だ。スコアの内訳は以下:

  • The education half encompassed how many residents had bachelor’s degrees (35 percent weighting) and graduate degrees (15 percent).
  • we looked at nonfiction book sales (25 percent)
  • We also measured the ratio of institutions of higher education (15 percent)
  • many studies link intelligence and political engagement, so we weighed this, too, as measured by the percentage of eligible voters who cast ballots in the last presidential election (10 percent)

学位を持つ住人の割合(35%)、修士号以上を持つ住人の割合(15%)、ノンフィクションの売上割合(25%)、高等教育機関の割合(15%)、投票率(10%)となっている。使っている要素や配分はどうなのかという話はあるがまあギャグなので気にしない(大学が多い比較的小さな地域が有利だろう)。

以下トップ3:

  • Raleigh-Durham: 三つの大学(Duke, UNC, NCSU)とテクノロジー系の企業がある。さらに首都があるため政治のスコアが高い。
  • Sanfrancisco-Oakland-San Jose: 要するにベイエリア。大学(UCSF, Berkeley, Stanfordなど)が大量にあり、学位に関するスコアがトップ。ハイテク関連が強い。政治のスコアが低め(人口が多すぎるためだろう)。
  • Boston: 同じく大学(Harvard, MIT, BU, BCなど)が多く関連するハイテク企業が集積。ノンフィクションの売上が多いそうだ。

これに、Minneapolis-St.Paul、Denver、Hartford-New Haven, Seattle-Tacoma, Washington DC, Portland, Baltimoreと続く。

逆にワースト3は上からSan Antonio、Las Vegas、Fresnoとなっている。最下位となったFresnoは、

The race to the bottom wasn’t even close. The largest city in California’s San Joaquin breadbasket, Fresno, had deficiencies across the board. College education (less than 20 percent of the local population have four-year degrees), graduate studies, academic institutions (not much besides Fresno State), book purchases, voter engagement—it ranked in the worst 5 percent in almost all of our categories. Problems with gangs and crystal meth tend to deter the best and brightest.

ほとんど全ての指標で下位5%に入ったそうで、ひどい書かれようだ。

低所得者層の限界税率

限界税率といえば普通、高所得者について議論されるものだ。累進税率によって所得が上がるほど限界税率は上昇するためだ。しかし、低所得者層においても限界税率の労働意欲に対する影響はおおきい:

The Dead Zone: The Implicit Marginal Tax Rate – Clifford F. Thies – Mises Institute

income

このグラフは給料の額と実質的な可処分所得との関係を表したものだ。高所得者層では税金があるため可処分所得のほうが小さいが、低所得者層ではフードスタンプのような生活保護政策によって給料の方が少ない。

問題は四万ドル以下の平らな部分だ。平らというのは給料が増えても実質的に使える金額が変わらないためだ。給料が上がることで税金がかかり、補助の額が減るため、給料の上昇が打ち消されている。

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こちらは最初のグラフから逆算した限界税率だ。2万ドルから4万ドルの間の限界税率が著しく高いことが分かる。

Everywhere, the government’s desire (meaning the left-liberal do-gooders’ desire) to be generous to the poor is destroying the positive incentives to work and to save that are so necessary for a well-functioning economy.

これにより、低所得者層が所得を上昇させるインセンティブは極めて小さくなる。対策としてはまず生活保護のような給付金を所得に対してよりなめらかに設定させること、絶対的な水準をしぼること、対象基準を所得以外の要因にすることが考えられるだろう。

日本のケースについても同じようなグラフはないだろうか。

人種・年齢・学歴別失業率

タイトル通り、デモグラフィー別で失業率の時系列をフラッシュで比べられる:

The Jobless Rate for People Like You – Interactive Graphic – NYTimes.com

いくつかの観察:

  • 全体では8.6%
  • 男性全体では9.5%、女性全体では7.6%で全体的に男性の方が失業率が高い(これは仕事がなくても求職を続けるためだろう)
  • 高校中退(以下)では17.5%、高卒では9.1%、大卒以上で4.5%
  • 人種では白人7.2%、黒人13.9%、ヒスパニック11.3%、その他8.2%
  • 15-24歳で16.7%、25-44歳で8.2%、45歳以上で6.3%
  • 一番低いのは25-44歳の大卒白人男性で3.9%
  • 一番高いのは15-24歳の高校中退黒人男性で48.5%

人種の区分けがAll races, White, Black, Hispanic, All other racesしかないのでアジア系の情報ここではわからない。細かい数字は労働省の統計局にある。

しかし、日本の新聞社のウェブサイトとの格差があまりにも酷い。日本ももうちょっとどうにかしてほしいものだ。